“あか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アカ
語句割合
21.3%
15.3%
14.1%
14.1%
11.9%
9.2%
3.0%
2.1%
1.4%
1.3%
(他:119)6.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
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岸本はその節子の眸を見るような心持で、支那風しなふうあか紙箋しせんに鉛筆で書いてある彼女の心の消息を読んだ。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その砂利の間の薄暗がりから、頭だけ出している小さな犬蓼いぬたでの、血よりもあかい茎の折れ曲りを一心に見下していた。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おつぎは勘次かんじがさういはれるとき何時いつあかかほをして餘所よそいてしまふのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
提灯ちやうちんにはあかしべで、くるまにはしろもんで、菊屋きくやみせ相違さうゐない。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いさちゃんのお婿むこさんなども、日露戦争にも出て、何処どこやらあかぬけのした在郷ざいごう軍人ぐんじんである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そして、いつの間にか、武蔵の前にも、綿服ではあるが、肌着から上着まで、あかのつかない一襲ひとかさねがそろえてある。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その内にだんだん内陣ないじんの中には、榾火ほたびあかりに似た赤光しゃっこうが、どこからとも知れず流れ出した。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しなれまではあかるいそとようとおもふにはあまりにこゝろうつしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これを聞いた芳子の顔はにわかにあかくなった。さも困ったという風が歴々ありありとして顔と態度とにあらわれた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
私を見ると、彼女はまるで悪戯いたずらを見つけられた少女のように、顔をあかくしながら、それを片づけ、すぐ横になった。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
あぶらぎったあから顔は勿論、大島おおしまの羽織、みとめになる指環ゆびわ、――ことごとく型を出でなかった。
魚河岸 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
湯気や煙で煤けたまわりを雇人の手が届く背丈けだけ雑巾をかけると見え、板壁の下から半分ほど銅のようにあかく光っている。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
すねも腕も伸々としていて、くちあかい、眉が濃い、そしてその眉も必要以上に長く、きりっと眼じりを越えていた。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みどりくつたびあかくつ、洞庭の舟の中で見た侍女の妝飾そうしょくとすこしも違わない女であった。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
……深々とやわらかなソファはいい坐り心地だったし、客間の夕闇のなかにはあかりがいかにも優しげにまたたいていた。
イオーヌィチ (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
横堀を越えて寺町の区域をぬけると、もう大阪らしい町家の賑わいは影を滅して、幾万坪ともない闇に、数えるほどな遠いあかり。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば、鎌倉同僚間の彼の不人望がそれをあかしているし、頼朝が死んだ後の彼の行いもかんばしいものではなかった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「後醍醐のきみの御脱出が、虚伝でないことをあかしている。――また、その御脱島は、首尾よく運ばれたものと観ていいだろう」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
服装はあかい短靴をほこりまみれにしてホームスパンを着ている時もあれば、少し古びた結城ゆうきで着流しのときもある。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
灼熱しゃくねつした塵埃じんあいの空に幾百いくひゃく筋もあかただれ込んでいる煙突えんとつけむり
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「金の茶釜を盗むあわて者があったんだろう、家へ持って帰ってき込むとあかになる奴さ。銅壺どうこの代りにもなるめえ」
だが、この彩色にもおつ魂消るけれど、このあかの把手と来ちやあ、〓さう言ひながら彼は扉に近づいて、錠前に触つて見るのだつた。
閼伽あか香華こうげの供養をば、その妻女一人につかさどらしめつゝ、ひたすらに現世げんぜの安穏、後生の善所を祈願し侍り。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
経巻の作りよう、仏像の飾り、ちょっとした閼伽あかの器具などにも空蝉のよい趣味が見えてなつかしかった。
源氏物語:23 初音 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ぼんやりしたあかりをむそうに提げている百トンあまりの汽船のともの方から、見えない声が不明瞭になにか答えている。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
あかりに反いた内匠の顏は、心持少し蒼くは見えますが、決然たる辭色じしよくは、それにも拘らず、寸毫すんがうの搖ぎもありません。
そのむこうの空のぬれた黝朱うるみの乱雲、それがやがてはかつとなり、黄となり、朱にあかに染まるであろう。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
その飴屋の小さい屋台店の軒には、俳優の紋どころを墨やあかあいで書いたいおり看板がかけてある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つぶされた家の下からあかぼうを抱いた女や老人や子どもらが、貝殻の中から逃げるやどかりみたいに逃げ散った。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足がよごれたので、下部しもべの女にかかえられて、あかぼうみたいに、どこかへ持って行かれてしまった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「御戦死なすった与倉中佐の奥さままで、まだ五十日にたない嬰児あかさんを背に負って、弾の来るなかを、芹を摘み、菜を摘んで、あなた方にあげたいと」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……その親たちのねぐら何処いずこ?……この嬰児あかちゃんは寂しそうだ。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、ふところから、あかいふくさづつみを取り出して、小判や、小粒をザラザラと膝にこぼして見せて、
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
短冊たんざくのような型のあるあか昼夜帯ちゅうやおびを見せたお鶴が、小料亭こりょうりやじょちゅうのような恰好かっこうをして入って来た。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
此價値をあかしするは、未來を洞察する豫感の力である。
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
死骸を大川へ投り込んだと見られてあかしが立たない
空ぐるま軋るを見れば、上岨うはそばを尻毛振る赤馬あか、ひようひようと吹かれゆく馬子、みな寒き冬のものなり。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
空ぐるま軋るを見れば、上岨うはそばを尻毛振る赤馬あか、ひようひようと吹かれゆく馬子、みな寒き冬のものなり。
「じゃ何だい、そんな暗い所で、こそこそ御母さんをつらまえて話しているのは。おい早くあかるい所へつらを出せ」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
煤ぼけた神棚におあかりがあがつてゐるのも妙だと思つたけれども、まさか鶴石が死んだ為とは思はなかつた。
下町 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
これは修羅の世を抜けいでて寂光の土にいたるという何ものかのひそやかなあかしなのでもあろうか。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
これは修羅の世を抜けいでて寂光の土にいたるといふ何ものかのひそやかなあかしなのでもあらうか。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
水棹みづざをを取り上げて、ガバと打つてかゝるのを、身を開いて、ツ、ツ、ツ、懷ろへ入ると見るや當身一本、船頭は苦もなく水垢あかの中にります。
爲五郎の船は、水垢あかだらけになつて、橋の側につなぎ捨てゝありましたが、平次は何を考へたか、五六人の人足を雇ひ、自分や八五郎も手をかして、船を岸に引あげると、いきなりそれを、川岸の草の上に俯伏うつぶせに引つくり返してしまひました。
夜更けの大川はさすがに鎭まり返つて、最早絃歌げんかあかりもなく、夜半過ぎの初秋の風が、サラサラと川波を立ててをります。
ほんとに口駄くだらないよと云うのを何だと思えば、それあの燭台の前に居る、あゝあの服を着た方よ、好男子いいおとこが居ると高ちゃんが云うから行って見ると、眼鏡の金縁へあかりが映ってそれで顔が光るのよ
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
茘支が真赤に熟したのを、あかき嚢を懸けたやうだと形容したのであらう。
次の日、彼女は、巻毛の愛馬に乗り、髪をさばき足は素足で、あかき戦衣に、たまをちりばめた黄金の乳当を着け、背には七本の短剣をはさみ、手に一丈余のほこをかかえ、炎の如く、戦火の中を馳け廻っていた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まるで七年薬草の匂いのあかくしみこんだその部屋の畳を新しく取り替えて、蚊帳かやをつると、あらためて寺田屋は夫婦のものだった。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
礼拝堂の中には、あかい蒸気の微粒がいっぱいに立ちめていて、そのもやのような暗さの中で、弱い平穏な光線が、どこか鈍い夢のような形で漂うている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
あかるい月は日の出前に落ちて、寝静まった街の上に藍甕あいがめのような空が残った。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
匂うがごとき揉上もみあげは充血あかくなッた頬に乱れかかッている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
平三が浜へ来た時、平七は鰹を陸へ揚げて了つて船の垢水あかを汲み出して居た。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
しかし塵埃あかたまるから、始終いつもそれを綺麗に掃除しておかねばならない、ということばは、たいへん意味ふかいものです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
とても側には居られません、少しばかり意見がましい事を申せば、手にあたる物でぶち打擲致しますから、小児あか可愛かわゆくないかと膝の上へ此の坊を載せますと、エヽうるせえ、とこんな病身の小児を畳の上へ放り出します、それほど気に入らぬ女房なれば離縁して下さい
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)