“あか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アカ
語句割合
19.8%
16.9%
14.5%
14.1%
11.2%
8.6%
2.9%
2.0%
1.6%
1.4%
1.2%
0.7%
閼伽0.6%
0.5%
0.5%
0.2%
嬰児0.2%
0.2%
赤馬0.2%
0.2%
赤子0.1%
0.1%
0.1%
水垢0.1%
0.1%
赤犬0.1%
淦水0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
阿伽0.1%
浸水0.0%
0.0%
清明0.0%
0.0%
赤児0.0%
〽紅0.0%
0.0%
0.0%
充血0.0%
垢水0.0%
塵埃0.0%
小児0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
灯明0.0%
燈火0.0%
0.0%
0.0%
真紅0.0%
紅羅0.0%
色紅0.0%
赤杉0.0%
赤紅0.0%
赤銅0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
銅版0.0%
0.0%
閼迦0.0%
阿加0.0%
阿霞0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、あかたすきで、色白な娘が運んだ、煎茶せんちゃ煙草盆たばこぼんを袖に控えて、さまでたしなむともない、その、伊達だてに持った煙草入を手にした時、——
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もういっぽうは、男の子がひろって、いまにあかぼうでも生れたら、ゆりかごに使うんだ、と言いながら、持っていってしまいました。
もし、二つなり、三つなりが、いっしょにあかるい世界せかいることがあったら、たがいにってちからとなってらしそうじゃないか。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
まことにつまらない思いで、湯槽からい上って、足の裏のあかなど、落して銭湯の他の客たちの配給の話などに耳を傾けていました。
トカトントン (新字新仮名) / 太宰治(著)
秀夫はその柳の枝をちらと見た後でまた眼を牡蠣船のほうへやった。壮い姝な婢が心もちあからんだ顔をこっちに向けてにっと笑った。
牡蠣船 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
生絹の顔はあおざめ、心は沈み、「をかしき物ならべ商ひせる」ことを思いでて、ひとりでにあおい顔をそめてあからむほどであった。
荻吹く歌 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
喬生は、その座下に拝して、かの牡丹燈の一条を訴えると、法師は二枚のあかをくれて、その一枚はかどに貼れ、他の一枚は寝台ねだいに貼れ。
世界怪談名作集:18 牡丹灯記 (新字新仮名) / 瞿佑(著)
もっとあかりをこっちへ貸しなよ。——畜生ッ。なるほどいい女だね。くやしい位だね。死にたくなった! おらも心中がして見てえな。
「後醍醐のきみの御脱出が、虚伝でないことをあかしている。——また、その御脱島は、首尾よく運ばれたものと観ていいだろう」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ひょっとしてそれがむす子の情事に関する隠語ではあるまいか」こういう考えがちらりと頭にひらめくと、かの女は少しあかくなった。
母子叙情 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
というように、緋錦紗ひきんしゃの厚い座ぶとんへ右門をすわらせると、女はあか銅壺どうこのふたをとってみて、ちょっと中をのぞきました。
さし上げている白いひじに、あかりの影と黒髪がさやさやとうごいて、二月きさらぎの晩のゆるい風には、どこか梅のかおりがしていた。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金魚鉢の閼伽あかをかえること、盆栽の棚を洗うこと、蜘蛛くもの巣を払うこと、ようとさえ思えばることは何程いくらでも出て来た。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そのむこうの空のぬれた黝朱うるみの乱雲、それがやがてはかつとなり、黄となり、朱にあかに染まるであろう。日本ラインの夕焼けにだ。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
いうや否、今までここの内儀とあかン坊の添寝していた夜具の中へもぐりこんだ。夜具の中には、母子おやこぬくみがまだあった。武蔵の体はしかしそれよりも熱かった。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此價値をあかしするは、未來を洞察する豫感の力である。實現の要求を煽る現在の心熱である。刹那刹那に新生面を開展し行く現實の進歩である。
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
「御戦死なすった与倉中佐の奥さままで、まだ五十日にたない嬰児あかさんを背に負って、弾の来るなかを、芹を摘み、菜を摘んで、あなた方にあげたいと」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みちに落ちたあかい木の葉も動かない、月は皎々こうこう昭々しょうしょうとして、磯際の巌も一つ一つ紫水晶のように見えて山際の雑樹ぞうきが青い、穿いた下駄の古鼻緒も霜を置くかと白く冴えた。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
空ぐるま軋るを見れば、上岨うはそばを尻毛振る赤馬あか、ひようひようと吹かれゆく馬子、みな寒き冬のものなり。渓のの小茶屋の椅子も紅葉積み、その渓かけて、はらはらと落葉ちりゆく。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たゞいつまでもあかざる物は孝心なる我子のかほと、蔵置をさめおく黄金こがねひかりなるべし。
赤子あかのお襁褓むつにしようかと思うて。」と答えた。
御身 (新字新仮名) / 横光利一(著)
すると皆が馳け付けたが、奥さんが錠を下しっぱなしにして買物に行ってしまったから、あかる訳がない。乃公は尚お大きな声を出して、「火事だ火事だあ、助けてくれい」と呶鳴った。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
煤ぼけた神棚におあかりがあがつてゐるのも妙だと思つたけれども、まさか鶴石が死んだ為とは思はなかつた。
下町 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
水棹みずさおを取り上げて、ガバと打ってかかるのを、身を開いて、ツ、ツ、ツ、懐へ入ると見るや当身一本、船頭は苦もなく水垢あかの中にります。
晃々こうこうと、あかりと家臣をそこに集めて、すぐ翌日の手筈てはずや協議であった。家臣たちの顔もみな硬ばっている。誰も、深夜の内匠頭の青白い顔や、食事の量にまでは、気がつかないであろう。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お前さん知らないの? ウールトオの家の犬ね、あのでっかい赤犬あかよ。彼犬あれが狂犬になったんだとさ。
生さぬ児 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
水鉄砲を仕掛けて二人で横木を踏み、小口の樋から淦水あかを掻いださせたが、いちど浪がうちこむと、一刻の骨折ももとの杢阿弥になってしまう。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これは修羅の世を抜けいでて寂光の土にいたるといふ何ものかのひそやかなあかしなのでもあらうか。それでは自分も一応は浄火のさかいを過ぎて、いま凉道蓮台のかどさきまで辿たどりついたとでも云ふのか。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
カウはこきあかき色。茘支が真赤に熟したのを、あかき嚢を懸けたやうだと形容したのであらう。ここにも南荒の珍産としてあるから、暖い南支那以外には滅多に見られないものなのであらう。
まるで七年薬草の匂いのあかくしみこんだその部屋の畳を新しく取り替えて、蚊帳かやをつると、あらためて寺田屋は夫婦のものだった。登勢は風呂場で水を浴びるのだった。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
その棺の前にはチベット風の純金の燈明台へバタの燈明、ならびに花のある時分には花、それからまた銀の七つの水器には阿伽あかとなうる清水、その他沢山な供養物も供えてある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
漁夫たちは艪をこぎながら、帆綱を整えながら、浸水あかをくみ出しながら、その黒い石ころと、模範船の艫から一字を引いて怪火かいかのように流れる炭火の火の子とをながめやる。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そして舷から身を乗り出して、子供がするように、水をいだり、浸水あかをかき出したりした。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
一度ひどく波をかぶったので、心臓を鳥のようにどきどきさせながら、漕ぐのを止めてあかをかい出さねばならなかった。
ところがだ、奴はもう死んじゃった、奴はよ、——あかみてえに死んじゃった。で、だれが一てえこの船を走らせるかね。
「我が心清明あかければ我が生める子手弱女たわやめを得つ。これに因りて言はば、おのづから我勝ちぬ」といひて、勝さびに天照らす大御神の營田みつくた離ち、その溝
ここに天照らす大御神詔りたまはく、「然らばみましの心の清明あかきはいかにして知らむ」とのりたまひしかば、ここに速須佐の男の命答へたまはく、「おのもおのもうけひて子生まむ
冬波に背けばあかき常陸山脈
天の狼 (新字旧仮名) / 富沢赤黄男(著)
弾々を担ふ激怒の雲あか
天の狼 (新字旧仮名) / 富沢赤黄男(著)
赤児あかが寝ているこそ丁度幸いだ、今日はお前にちっと相談することがあるがの、それも外のことじゃアない矢ッ張赤児の事についてな、此様こんな事を云ったら己を薄情なものと思うだろうが
晋「赤児あかは何うしたね」
〽紅あか帽子シャッポは兵隊さん、西郷に追われて
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あかるい月は日の出前に落ちて、寝静まった街の上に藍甕あいがめのような空が残った。
(新字新仮名) / 魯迅(著)
思ひ出うきつもりてもしや又わづらひもせば何とせん思へばまづしくうまれ來て何にも知ぬ我が子に迄あかぬ別れをさするかやとをとこなみだ足元あしもと踉々しどろ蹌々もどろに定めかね子故に迷ふやみの夜に麹町を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
雪よりも白いえりの美くしさ。ぽうッとしかも白粉しろこを吹いたような耳朶みみたぶの愛らしさ。匂うがごとき揉上もみあげは充血あかくなッた頬に乱れかかッている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
平三が浜へ来た時、平七は鰹を陸へ揚げて了つて船の垢水あかを汲み出して居た。女共が五六人其の鰹を担つて運んで居た。平三は衣服を浜納屋はまなやへ投げ込み、襯衣シヤツの上に帯を巻いて船に飛び乗つた。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
しかし塵埃あかたまるから、始終いつもそれを綺麗に掃除しておかねばならない、ということばは、たいへん意味ふかいものです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
小児あか可愛かわゆくないかと膝の上へ此の坊を載せますと、エヽうるせえ、とこんな病身の小児を畳の上へ放り出します、それほど気に入らぬ女房なれば離縁して下さい
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ここにあめ兒屋こやねの命、布刀玉ふとだまの命、天の宇受賣の命、伊斯許理度賣いしこりどめの命、たまおやの命、并せて五伴いつともあかち加へて、天降あもらしめたまひき。
海の面は、此処の様に、あかるい色ではなく、まるで黒い様な色をいつでもして居る。
冬の海 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
然しあかりが洩れてる所をみると、或はまだ竹内が居るかも知れなかった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
白足袋しろたびすべりそうな廊下、酔いでもさますふうをよそおいながら母屋おもやのほうをうかがってゆくと、その目の前へ、すだれのような灯明あかりのしまがゆらゆらとうごいて。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蟠「ア、燈火あかりが消えるようだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
水無月の夕雲あか
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここを以ちて、驛使はゆまづかひ四方よもあかちて、意富多多泥古おほたたねこといふ人を求むる時に、河内の美努みのの村にその人を見得て、たてまつりき。ここに天皇問ひたまはく、「いましは誰が子ぞ」と問ひたまひき。
彼女は白いブラウスの上に、真紅あかい目のめるようなジャケツをひっかけていた。それよりもなお泉原の心をひいたのは、心持ち唇をかむようにして、じっと空間を見据えている彼女の横顔であった。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
うす寒げな白の袗衣うわぎに、紅羅あか裙子はかまを曳き、白粉おしろい痩せは、その頬に見えるだけでなく、肩にも弱々しげなかげがある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
色紅あかくかなしき苺葉かげより今日けふも呼びつる。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
『そうだ、十畳を神代杉じんだいにする、そうなると又、四畳半が、赤杉あかの並物ではうつらぬ故、吉野杉の飛切りで貼ってくれい。客に見せて、金を惜しんだように思われぬようにな』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、ろい、けたやうな返事をしながら、房一の湯上りでよけい赤紅あかく輝く顔がのぞいた。彼はゆつくりと兵児帯をまきつけてゐた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
ドアが開いていたので、わたしはきらきら光る赤銅あかのなべがかかって、そこから湯気のうまそうに上っている大きなかまどを見ることができた。
でっぷりとしたあから顔を提灯の灯でよけい真っ赤に光らせながら門人の柳條、柳橘を従え、苦が苦がしくこちらを見守っていた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
よろめいてゆく者——よごれてはいるが破れておらぬ着物を着て、肉欲的な厚い唇、丈夫そうなあからんだ顔をして
群集の人 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
二十五六の痩せてはいるが骨格のがっしりした、眉の濃い浅黒い顔が酒を飲んでいるためにあかく沈んでいるのをちらと見たが、気もちの悪いものでも見たと云うようにしてすぐ眼をそらした。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
汽笛ふえなんか鳴らしたから不可いけなかったんです。……かしいだ原因はまだ判然わかりませんが、船底の銅版あかと、木板いたの境い目二尺に五尺ばかりグザグザに遣られただけなんです。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
下げてきたあかのやかんに一杯雪をつめて戻ってくると、祖母はそれをゆるい火の上にかけて、雪解の水をわかし、それで玉露をいれるのでした。
幻の園 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
上人その雌に向って、我れこの山にて秘法を修するに、閼迦あかの水を求めんとす、汝この山を守護すべしと云ったところが、たちまち清泉湧き出でた。これ今の閼迦井である。
北海ほくかい新潟にひがた海門みなとにおつる大河だいが阿加あか川と千曲ちくま川と也。
「私の先祖がせいにいたものですから、斉を姓としてるのですよ。私の幼な名は阿霞あかといいますの。」
阿霞 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
さりとてれにもしたがひがたきを、なにとしてにとせば松野まつのこゝろまよひもめ、竹村たけむらきみ潔白けつぱくをもあかされん、何方いづれにまれくきひと一人ひとりあらば、くまでむねはなやまじを
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
曰く、犂牛りぎゅうあかくして且つ角よくば、用うることからんと欲すといえども、山川其れこれてんやと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
片手かたてづまみの大皿おほざらすしは、鐵砲てつぱう銃口すぐちそろへ、めざすてきの、山葵わさびのきいたあかいのはとくのむかし討取うちとられて、遠慮ゑんりよをした海鰻あなごあまいのがあめのやうに少々せう/\とろけて、はまぐりがはがれてる。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)