“あけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アケ
語句割合
33.9%
21.1%
14.2%
13.3%
6.1%
3.1%
2.8%
1.1%
0.6%
0.6%
鮮血0.6%
0.3%
開場0.3%
朱泥0.3%
朱紅0.3%
朱血0.3%
0.3%
翌朝0.3%
閉場0.3%
開放0.3%
黎明0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸をひしめかして、男は打ちたおれぬ。あけに染みたるわが手を見つつ、重傷いたでうめく声を聞ける白糸は、戸口に立ちすくみて、わなわなとふるいぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
血を好むのだ。彼の目的は血を見るにある。女の血、美人の血。白い皮膚がパッとあけに染まる瞬間の美、それは彼にたとえ難い快感を与えるのだ。
耳香水 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
あけしに驚きさす旅宿屋やどやの主人だけよひことわりもなき客のきふに出立せしはいかにも不審ふしんなりとて彼の座敷をあらためしにかはる事もなければとなり座敷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
やがて、あけの鐘の鐘つき男によって発見されたこの一場の修羅場しゅらばのあとが、一山いちざんの騒ぎとなったことは申すまでもありません。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
通る人も通る人も皆歩調あしどりをゆるめて、日当りを選んで、秋蠅の力無く歩んで居る。下宿屋は二階中をあけひろげて蚊帳かや蒲団ふとんを乾して居る。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
渠は、東京にゐた時から、つかれるまでは、あけがたの三時までも、四時までも、褥に這入らないのが習慣であつた。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
翻長太息はんちやうたいそくに堪へずしていはく台州たいしう有人ひとありと。古人が詩に心を用ふる、惨憺経営の跡想ふべし。青々せいせいが句集妻木つまぎの中に、「初夢やあけなるひもの結ぼほる」
日も待たず、そのあけの日の夕暮時、宝の市へ練出す前に、——丸官が昨夜ゆうべ芝居で振舞った、酒の上の暴虐ぼうぎゃく負債おいめを果させるため、とあって、——南新地の浪屋の奥二階。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みなのぞきていさゝかも家内に故障さゝはりなく平安無事ぶじなる者をえらび、神㕝じんじの前のあけ神主沐浴斎戒もくよくさいかい斎服さいふくをつけて本社にのぼり、えらびたる人々の名をしるして御鬮みくじにあげ、神慮しんりよまかせて神使とす。
しきりにひものようなものを持って腰の廻りを巻いてるから、帯でもするかと見ると、ら下ったはらわたで、切裂かれへその下へ、押込もうとする、だくだく流れるあけの中で、一掴ひとつかみ、ずるりと詰めたが
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鮮血あけは泉とほとばしり、母の全身色する
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
番紅花さふらん色の衣つけあけの神女は地を照らす。 695
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
薔薇そうび色なす指持てるあけの神女のいづる時
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
だけど、どうしてもないもんだから、親方、ぷんぷんしちまってね、到頭いま開場あけたの、あんたすぐいって見た方が、いいわよ
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
開場あける前に捜さなきゃ、きっとなくなって仕舞うわ——、今まで皆んなで血眼ちまなこになっていたのよ。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
サラと簾を片手で上へかかげて、親鸞はそこから半身を見せた、そして、朱泥あけで描いた魔神のような弁円の顔をじろと眺め、そのまなじりに、ニコリと長いじわを刻むと
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鱗革うろこがわ朱紅あけうるしやら金箔はくをかけたよろいを着、青錦せいきん戦襖じんばおりに黄色の深靴をはいていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見れば、左右の手に、重さ八十斤もあろうかと見えるほこをひっさげ、敵の真っただ中を斬り開いて馳せつけて来る者がある。馬も人も、朱血あけを浴びて、焔が飛んで来るようだった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
又店のいそがしい最中に店をあけた事も有ます相で(荻)夫ではうしてもお紺を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
翌朝あけに成ると皆々打寄り届書とゞけがきを書いたり、是から原町はらまちの警察署へ訴える手続が宜かろうかなどとゴタ/″\致して居りまする処へ這入って来ましたのは
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こういう人たちは、中村座が閉場あけば中村座の何屋へ、新富座ならば何処どこと、三、四軒の芝居茶屋を助けもするが、歌舞伎の梅林ばいりんとか三洲屋とか、一、二の茶屋で顔のうれている男衆たちだった。
それからかれこれ二月ばかりつと、今度は生垣いけがきを三尺ばかり開放あけさしてくれろ、そうすれば一々御門へ迂廻まわらんでも済むからと頼みに来た。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『今だ。咲き出づる時は今だ。おれの年頃も、世の中の黎明あけるのも。……何だか、そんな気がするなあ』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)