“あす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アス
語句割合
明日84.3%
翌日5.6%
明朝2.9%
2.7%
2.2%
0.7%
翌朝0.7%
明晩0.4%
明旦0.2%
明暁0.2%
昨日0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明日あすの晩はもうお前の声も聞かれない、世の中つて厭やな物だねと歎息たんそくするに、それはお前の心がらだとて不満らしう吉三の言ひぬ。
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
合せしからは浮々うか/\江戸におち付ては居るまじ翌日あすくらきより起出おきいでて其の方は品川の方より段々だん/\に尋ぬべし我は千ぢゆ板橋いたばしなど出口々々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「サァ明朝あすは早いぞ、もう寝ようか」と、狭い天幕てんと内へゾロゾロと入り込んだが、下は薄いむしろ一枚で水がジメジメとうして来る。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
さと わしが国にをるときや、男でんをなごでん、あすうどるもんなんぞ見たこたなかつた。まあ、遊うどると云へば、子供ぐりやんもんた。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
何がお前様、あすが日のことを構うていられるようなこちとらではござらぬじゃて。腹が立つまいことか、御察しなされませ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其のあす雀部ささべにわかれて、八月はづきのはじめみやこを立ちて、九三木曾路をるに、山だちあまたに取りこめられ、衣服金銀残りなくかすめられ、命ばかりを辛労からうじて助かりぬ。
山出しの女中が来て、どうぞお二階へ、——助かった、ここで翌朝あすまで辛抱するのかと断念あきらめていたのに。——いや、階子段はしごだんは、いま来た三崎街道よりずッと広い、見事なものです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風呂場で水を浴び、台所の椅子に腰を下ろすと、はじめて正三は人心地ひとごこちにかえるようであった。——今夜の巻も終った。だが、明晩あすは。——その明晩も、かならず土佐沖海面から始る。
壊滅の序曲 (新字新仮名) / 原民喜(著)
一月ばかり過ぎて、或る日伯は突然われに向ひて、「余は明旦あす魯西亜ロシアに向ひて出発すべし。したがひてべきか、」と問ふ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
が反面には、潜航艇出没の警報が、風のように流布されるおそれがある。明暁あすの決行——それまでは何事も差し控えねばならぬ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
れはれはおさどころいおかた、まあ今宵こよひ何處どこへおとまりにて、昨日あすはどのやうなうそいふておかへあそばすか、ゆふかた倶部樂くらぶ電話でんわをかけしに三ごろにおかへりとのことまた芳原よしはら式部しきぶがもとへではきか
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)