“辛労”のいろいろな読み方と例文
旧字:辛勞
読み方割合
しんろう66.7%
しんらう16.7%
からう8.3%
きつ8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それを良人の肌着に見出すときは、却って、良人が妻に告げないでいる辛労しんろうをひそかに察して涙ぐましくなるようになっていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こゑこもつてそらひゞくか、天井てんじやううへ——五階ごかいのあたりで、多人数たにんずうのわや/\ものこゑきながら、積日せきじつ辛労しんらう安心あんしんした気抜きぬけの所為せゐで、そのまゝ前後不覚ぜんごふかくつた。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其のあす雀部ささべにわかれて、八月はづきのはじめみやこを立ちて、九三木曾路をるに、山だちあまたに取りこめられ、衣服金銀残りなくかすめられ、命ばかりを辛労からうじて助かりぬ。
あの声は今日こんにちまで自分わし臓腑はらわたの腐り止めになっている。貧乏というものは辛労きついもので、妻子が飢え死によるのを見ると気に入らん奴の世話にでもなりとうなるものじゃ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)