辛労しんらう)” の例文
旧字:辛勞
こゑこもつてそらひゞくか、天井てんじやううへ——五階ごかいのあたりで、多人数たにんずうのわや/\ものこゑきながら、積日せきじつ辛労しんらう安心あんしんした気抜きぬけの所為せゐで、そのまゝ前後不覚ぜんごふかくつた。……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くわふるに寒風かんきを以てし天地まさに大にれんとす、嗟呼ああ昨日迄は唯一回の細雨さいうありしのみにして、ほとん晴朗せいろうなりし為め終夜熟睡じゆくすゐ、以て一日の辛労しんらうかろんずるを得たるに、天未だ我一行をあはれまざるにや
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)