“細雨”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こさめ56.5%
さいう39.1%
ほそあめ4.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたしが九月二十四日の午後この山に登った時には、ふもとの霧は山腹の細雨こさめとなって、頂上へ来ると西の空に大きな虹が横たわっていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その日は朝から陰っていて、霧だか細雨こさめだか判らないものが時どきに山の上から降って来て、山ふところの宿は急に冬の寒さに囲まれたように感じられた。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかも其の時は二百十日前後の天候不穏、風まじりの細雨こさめの飛ぶ暗い夜であるから、午後七、八時を過ぎるとほとんど人通りがない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その挨拶ながら私が赤坂の家をたずねたのは、あくる日のゆう方で、六月なかばの梅雨つゆらしい細雨こさめがしとしとと降っていた。
半七捕物帳:21 蝶合戦 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
霧に似たる細雨こさめは隙間もなく瀟々しとしと降頻ふりしきって、濡れたる手足は麻痺しびれるように感じた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
細雨さいうれなんとする山間村落さんかんそんらく生活せいくわつもつとしづかなる部分ぶゝんである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
朝起きると一面の青空で、朝日が白銀の世界をあかね色に染めているような日でも、夕方になると大抵は美事な樹枝状の結晶が細雨さいうのように音もなく降って来る。
煙る細雨さいう、それにもう夕暮れ近い刻限ゆえ、湯気の立ちこめた浴場内は、夢の中の景色のように、薄暗くぼやけて見える。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
事實じゝつ此世このよひとかもれないが、ぼくにはあり/\とえる、菅笠すげがさかぶつた老爺らうやのボズさんが細雨さいううちたつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
一日を楽しき家庭に暮らす。小畑と小島に手紙出す。夜、細雨さいう静かなり。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
こころは あけがたの細雨ほそあめにまよふ。
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)