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細雨
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さいう
ふりがな文庫
“
細雨
(
さいう
)” の例文
初
(
はじ
)
めは
俳畫
(
はいぐわ
)
のやうだと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが、これ
實
(
じつ
)
に
畫
(
ゑ
)
でも
何
(
なん
)
でもない。
細雨
(
さいう
)
に
暮
(
く
)
れなんとする
山間村落
(
さんかんそんらく
)
の
生活
(
せいくわつ
)
の
最
(
もつと
)
も
靜
(
しづ
)
かなる
部分
(
ぶゝん
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
煙る
細雨
(
さいう
)
、それにもう夕暮れ近い刻限
故
(
ゆえ
)
、湯気の立ちこめた浴場内は、夢の中の景色のように、薄暗くぼやけて見える。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
打惑
(
うちまど
)
ひて
入
(
い
)
りかねたる彼の
目前
(
まのあたり
)
に、
可疑
(
うたがはし
)
き女客も
未
(
いま
)
だ
背
(
そむ
)
けたる
面
(
おもて
)
を
回
(
めぐら
)
さず、
細雨
(
さいう
)
静
(
しづか
)
に
庭樹
(
ていじゆ
)
を
撲
(
う
)
ちて
滴
(
したた
)
る
翠
(
みどり
)
は内を照せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
朝起きると一面の青空で、朝日が白銀の世界を
茜
(
あかね
)
色に染めているような日でも、夕方になると大抵は美事な樹枝状の結晶が
細雨
(
さいう
)
のように音もなく降って来る。
雪の十勝:――雪の研究の生活――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
依稀
(
いき
)
たる
細雨
(
さいう
)
は、濃かに糺の森を
罩
(
こ
)
めて、糺の森はわが
家
(
や
)
を
遶
(
めぐ
)
りて、わが家の
寂然
(
せきぜん
)
たる十二畳は、われを封じて、余は
幾重
(
いくえ
)
ともなく寒いものに取り囲まれていた。
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
加
(
くわ
)
ふるに
寒風
(
かんき
)
を以てし天地
将
(
まさ
)
に大に
暴
(
あ
)
れんとす、
嗟呼
(
ああ
)
昨日迄は唯一回の
細雨
(
さいう
)
ありしのみにして、
殆
(
ほとん
)
ど
晴朗
(
せいろう
)
なりし為め終夜
熟睡
(
じゆくすゐ
)
、以て一日の
辛労
(
しんらう
)
を
軽
(
かろ
)
んずるを得たるに、天未だ我一行を
憐
(
あはれ
)
まざるにや
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
自身番の灯が
細雨
(
さいう
)
を縫ってサッと、曲者の顔を照し出したのです。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さもなくば、初冬
細雨
(
さいう
)
の宵。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
夜、
細雨
(
さいう
)
静かなり。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
事實
(
じゝつ
)
、
此世
(
このよ
)
に
亡
(
な
)
い
人
(
ひと
)
かも
知
(
し
)
れないが、
僕
(
ぼく
)
の
眼
(
め
)
にはあり/\と
見
(
み
)
える、
菅笠
(
すげがさ
)
を
冠
(
かぶ
)
つた
老爺
(
らうや
)
のボズさんが
細雨
(
さいう
)
の
中
(
うち
)
に
立
(
たつ
)
て
居
(
ゐ
)
る。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
“細雨”の意味
《名詞》
細 雨 (さいう)
非常に細かい雨。
(出典:Wiktionary)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
“細”で始まる語句
細
細々
細君
細工
細面
細作
細引
細流
細道
細紐