“細流”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せせらぎ45.5%
さいりう18.2%
さいりゅう9.1%
せゝらぎ9.1%
こながれ6.1%
ながれ6.1%
いさゝがは3.0%
ほそながれ3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日蔭の冷い細流せせらぎを、軒に流して、ちょうどこの辻の向角むこうかどに、二軒並んで、赤毛氈あかもうせんに、よごれ蒲団ぶとんつぎはぎしたような射的店しゃてきみせがある。
怨霊借用 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はかますそを、サラ/\といしくゞつて、くさした細流さいりうあり。さかはたら/\としづくしぼつて、がけからみちしたゝるのである。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるひはまた細流さいりゅうに添ふ風流なる柴垣しばがきのほとりに侍女を伴ひたる美人佇立たたずめば、彼方かなたなる柴折戸しおりどより美しき少年の姿立出たちいで来れるが如き、いづれも情緒纏綿じょうしょてんめんとして尽きざるものなり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
伸上のびあが背戸せどに、やなぎかすんで、こゝにも細流せゝらぎ山吹やまぶきかげうつるのが、いたほたるひかりまぼろしるやうでありました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
細流こながれある所にいたれば紅唇べに粉面おしろい哥妓げいしや紅裩あかきゆもじかゝげわたる、花姿くわし柳腰りうえう美人等びじんらわらじをはいて水をわたるなどが江戸の目にはいとめづらしくきやうあり。酔客すゐかくぢんくをうたへば酔妓すゐぎ歩々あるきながらをどる。
お馬場口から曲って来ると崖のふち柵矢来さくやらいが有りまして、此方こちらは幡随院の崖になって居りまして、此方に細流ながれがあります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鳶尾草いちはつの花、清淨しやうじやう無垢むくかひなの上にいて見える脈管みやくくわんの薄い水色、肌身はだみ微笑ほゝゑみ、新しい大空おほぞらの清らかさ、朝空あさぞらのふとうつつた細流いさゝがは
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
洗濯をしに来たのである。道端の細流ほそながれで洗濯をするのに、なよやかなどと言う姿はない。——ないのだが、見ただけでなよやかで、たらいに力を入れた手が、霞を溶いたように見えた。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)