“せせらぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
細流88.2%
渓流11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今しがた渠等が渡って、ここから見えるその村の橋も、鶴谷の手で欄干はついているが、細流せせらぎの水静かなれば、ひとえに風情を添えたよう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
盂蘭盆うらぼんすぎのい月であつた。風はないが、白露しらつゆあしに満ちたのが、穂に似て、細流せせらぎに揺れて、しずくが、青い葉、青い茎をつたわつて、点滴したたるばかりである。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
山下氏がつづいて、つぶやくような声でなにかいったが、それは渓流せせらぎの音にけされてキャラコさんの耳にはとどかなかった。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
どこかに置時計があるのだろう、時の流れはこのチクタクという音を媒介にして、ややもかも気ぜわしい渓流せせらぎの音をたてる。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
渓流せせらぎの音が、急にはっきりと聞えだす。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)