“ながれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
89.7%
渓流1.1%
水流1.1%
流水1.1%
細流1.1%
支流0.5%
水勢0.5%
流動0.5%
流勢0.5%
流域0.5%
流潮0.5%
流産0.5%
海流0.5%
清流0.5%
濁流0.5%
遺流0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり上代じょうだいからぎ出して、順次に根気よく人文発展のながれを下って来ないと、この突如たる勃興ぼっこうの真髄が納得なっとく出来ないという意味から
「この下の渓流ながれで、泳いで来たんだ」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
依然水流ながれはゆるやかであった。微光を分け水に引かれ、船はゆるゆると流れて行った。両岸はおぼろに見渡された。岸がすぐに断崖がけとなり、断崖がすぐに天井となり、天井は次第に低くなった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うちから五丁程西に当って、品川堀と云う小さな流水ながれがある。玉川上水たまがわじょうすいの分派で、品川方面の灌漑専用かんがいせんようの水だが、附近の村人は朝々顔も洗えば、襁褓おしめの洗濯もする、肥桶も洗う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
前にはざわざわ細流ながれがつぶやいている。向うのやぶには赤い椿つばきが咲いて、春の日は流れにポタンと花がおちる。
この支流ながれを前に控えて、土塀どべいから柿の枝の垂下っている家が、私共の尋ねて参りました荒井様でした。見付みつきは小諸風の門構でも、内へ入れば新しい格子作こうしづくりで、二階建の閑静な御住居すまいでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
府中の方へ流れて行く、幅十間ばかりの、髪川という川が、竹藪の裾を巡って流れていて、淵も作れないほどの速い水勢ながれが、月光を銀箔のように砕いていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
漠々然ばく/\ぜん何時いつし義母おつかさん自分じぶんうつつて流動ながれ次第々々しだい/\にのろくなつてくやうながした。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
マルヂヴエ群島ぐんとうへんから南方なんほうむかつてはしるなる、一層いつそう流勢ながれはや潮流てうりう吸込すひこまれてるとさとつたときおもはず驚愕おどろきこゑはつしたことと、かつものほんんだおびたゞしきくぢらむれはるか海上かいじやうながめたことほか
その流域ながれを西南にとって五日余りも辿った時、いよいよ彼らの国土とも云うべき葡萄大谷ぶどうおおや大谿谷だいけいこくの入口にまで着いたのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ふしぎ! 流潮ながれに乗って張りきったもやいの綱を岸でたぐるものがあるらしく、あっというまに舟が石垣にぶつかったかと思うと、頭の上に多人数の跫音あしおとが乱れ立って
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
口がえる将来を案じて、出来ることなら流産ながれてしまえばいがと不養生のありたけをして、板の間にじかに坐ったり、出水でみずの時、股のあたりまである泥水の中を歩き廻ったりしたにもかかわらず
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
みだれる海流ながれのとほくかすか 海面うへをかへる土用の波のうたである
すらんらん集 (新字旧仮名) / 仲村渠(著)
猛狒ゴリラ大奮鬪だいふんとう塲所ばしよからおよそ七八ちやうあゆんだとおもころふたゝうみえるところた。それから、丘陵をか二つえ、一筋ひとすぢ清流ながれわたり、薄暗うすくら大深林だいしんりんあひだぎ、つひ眼界がんかいひらくるところ大佐たいさいへながめた。
「どうして渡るのだ、この濁流ながれを」すると四郎がいった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊東の家柄は、足利時代に、下総、常陸ひたち等を領していた、管領千葉家の重臣の遺流ながれだったので、現在いまの領主、堀田備中守ほったびっちゅうのかみも粗末に出来ず、客分の扱いをしていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)