“椿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つばき96.7%
ちん1.6%
チン0.8%
ツバキ0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、その顔の黄色い皮膚ひふと、机掛つくえかけの青い織物おりものとの間から、椿つばきの様に真赤な液体が、ドクドクと吹き出していた。
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それから椿つばきの木は伊豆や熊野の村々では、あまりにありふれて目にも留まらぬが寒地に向かうにしたがって、しだいしだいに風景に参与してくる。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
二人ふたりが、うしをつないだ椿つばきると、それは自転車じてんしゃをもった地主じぬしがいったとおりでありました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
早咲きの椿つばきはわずかに赤く花を見せたばかりで、厚いこい緑の葉は、黄いろい寒菊かんぎくの小さいのとおもむきに富んだ対照をなした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
見るとひとむら椿つばきの木かげに鵙屋家代々の墓が数基ならんでいるのであったが琴女の墓らしいものはそのあたりには見あたらなかった。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この樹の名の椿ちんの字をツバキの和字の椿つばきの字と同一にて視てツバキの方の椿をもチンと発音しているのは、とても間違いの甚だしいものである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
孝孺の学徳ようやく高くして、太祖の第十一子蜀王しょくおう椿ちん、孝孺をへいして世子のとなし、尊ぶに殊礼しゅれいもってす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それゆえちょの方を臭椿しゅうちんといい椿ちんの方を香椿こうちんと称えて区別しているがその香椿の支那音がヒャンチンなんです。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
第十一子椿ちんを封じてしょく王とし、成都せいとき、第十二子はくしょう王とし、荊州府けいしゅうふに居き
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今から凡そ二百七八十年程も前の寛文年間に始めてこの椿ちん(チャンチン)が我日本へ渡り来り、前に記した様に始めこれを黄蘗山万福寺へ植えたといわれる。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
椿チンは『荘子そうじ』に八千歳を春となし八千歳を秋となすと出ているのでこの椿を日本人が日本の椿ツバキと継ぎ合せて文学者が八千代椿ヤチヨツバキなどの語を作ったもので、これはいわゆる竹に木を継いだようなものである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
椿チンは『荘子そうじ』に八千歳を春となし八千歳を秋となすと出ているのでこの椿を日本人が日本の椿ツバキと継ぎ合せて文学者が八千代椿ヤチヨツバキなどの語を作ったもので、これはいわゆる竹に木を継いだようなものである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)