“椿事”の読み方と例文
読み方割合
ちんじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文化四年の大椿事ちんじにおびえていた人々は又かとおどろいて騒ぎはじめた。加賀屋ではお元の夫の才次郎も母のお秀も眼の色を変えた。
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
やがて、車が九段くだんに近い淋しい濠端ほりばたを走っていた時、われわれの姿なき眼は、前方の車上に、実に恐ろしい椿事ちんじを目撃したのである。
人間豹 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
『ほう、今の悲鳴は、吉良どのか。甲冑かっちゅうの血まみれは武士のほまれとこそ思ったが、素袍の血まみれは珍らしい。——いや古今の椿事ちんじ
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)