神谷芳雄はまだ大学を出たばかりの会社員であった。しかも父親が重役を勤めている商事会社の調査課員で、これというきまった仕事もない暢気な身の上であったから、飲み覚えた酒の味、その酒を運んでくれる美しい人の魅力が忘れがたくて、つい足しげくその家へ …
著者 | 江戸川乱歩 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1934(昭和9)年1~2月、5月~1935(昭和10)年5月 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約5時間14分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約8時間42分(300文字/分) |