“嘲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あざけ65.9%
あざ18.8%
わら9.2%
あざけり3.0%
あざわら1.3%
せせ0.8%
あざけら0.2%
せせら0.2%
ちょう0.2%
ののし0.2%
わろ0.2%
ワラ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平生へいぜいからあざけるものはあざけるが、心優こゝろやさしい衣絵きぬゑさんは、それでもどくがつて、存分ぞんぶんかしてむやうにとつた厚情こゝろざしなのであつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
素破すは。狼藉よ。乱心者よと押取おつとり囲む毬棒いがばう刺叉さすまたを物ともせず。血振ひしたるわれは大刀を上段に、小刀を下段に構へてあざみ笑ひつ
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ばかなと、わらうかと思いのほか、高氏も素直に馬を降りた。そして、往来の流れがもとの姿にもどるのを待ってから、馬上に返った。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたくしは敢てあざけりを解かうとはしない。しかし此書牘を作つた人々の心理状態はわたくしの一顧の値ありとなす所のものである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼の頭には、藤木と千鶴子とが、自分のすぐ前で、淫らな姿態をして、彼をあざわらっている様子がまざまざと描かれることがあった。
二人の盲人 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
ねえ先生、やはりあの鬼畜ひとでなしは、わっしだったのですよ。そして、座頭おやじが云った風云々うんぬんという言葉は、暗に私たちの関係をせせら笑ったものなんです
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
満枝はあざけらむが如く微笑ほほゑみて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その手をズボンのカクシへ突っ込み、せせら笑い乍ら斯う呶鳴どなった。
死の航海 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
因ツテ酒痴ノ歌一篇ヲ作リ以テ上人ニ謝シ兼テ自ラちょうヲ解クトイフ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
だから彼はその限りで、広い世間から切り離された孤独を味うべく余儀なくされた。彼が大井と交際していながら、しかもなお俊助ズィ・エピキュリアンなどとののしられるのはこのためだった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「むかし富士川に平家あり。今日、岩崎山に高山右近あり。いやはや、とんだ道化者よ。武門の生れぞこないよ。わろうても嘲いきれぬ」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予モ君モ共ニ漢朝ノ臣タリ、マタ民ヲヤスンズルヲ以テ徳トシ任トスル武門ノ棟梁トウリョウデハナイカ。仁者相争ウヲワラッテカ天ハ洪々コウコウノ春水ヲミナギラシ、君ノ帰洛ヲ促シテイル。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)