“あざけり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
51.6%
嘲笑25.8%
嘲罵9.7%
冷笑3.2%
嘲侮3.2%
嘲弄3.2%
嬉笑3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうかすると外の人の前で、此詞を言ひ出す事がある。例之たとへば公爵に向いてそんな事を言ふ。公爵は軽いあざけりの表情を以て、唇に皺を寄せる。
クサンチス (新字旧仮名) / アルベール・サマン(著)
私は憑かれた人のように雪の原ッぱに立竦んでしまった。まだ鳴り止まぬ不気味な鐘の音が、悪魔の嘲笑あざけりのように澄んだ空気を顫わせつづける。
寒の夜晴れ (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
あゝ此樣こんことつたら何故なぜ倫敦ロンドンへん流行歌はやりうた一節ひとふしぐらいはおぼえてかなかつたらうとくやんだが追付おひつかない、あまりの殘念くやしさに春枝夫人はるえふじんかほると、夫人ふじんいま嘲罵あざけりみゝにして多少たせうこゝろげきしたと
……そして、この乞食に憐みを投げて呉れる一人の女が、自分に冷笑あざけりを見せて離れて行くのが見え透いてゐるやうで、云ひやうのない寂しさを覺えた。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
境遇も、容貌も、風采も、彼が持って世と闘って来たものは、世の美しい女性などから、あらゆるさげすみと、嘲侮あざけりとを、浴びせられて来た。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どの顔も獰猛どうもうで、よく見るとその獰猛のうちに、軽侮あなどりと、嘲弄あざけりと、好奇の念が判然と彫りつけてあったのは、首を上げる途端とたんに発明した事実で、発明するや否や、非常に不愉快に感じた事実である。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
或人は嬉笑あざけりをうけ、鞭打れ、縲絏なわめ囹圄ひとやの苦を受け