“多少”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たせう52.3%
たしょう18.2%
たしよう11.4%
いくら9.1%
いくらか4.5%
すこし2.3%
タショウ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて私の結婚生活せいくわつは、うづのやうにぐる/\と私どもをもてあそばうとしました、今猶多少たせうの渦はこの身邊しんぺんを取りかこみつゝあるけれども
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
ははも、そうおもっていたようです。しかし、はは宝物たからものおもったのは、多少たしょうぼくがおもったのと、意味いみがちがうかもしれません。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一、 最初さいしよ一瞬間いつしゆんかんおい非常ひじよう地震ぢしんなるかいなかを判斷はんだんし、機宜きゞてきする目論見もくろみてること、たゞしこれには多少たしよう地震知識ぢしんちしきようす。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
時々さう思ふ事がある、あの人の水臭い仕打の有るのは、多少いくらか自分をあなどつてゐるのではあるまいか。自分は此家ここの厄介者、あの人は家附の娘だ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
多少いくらか纏まった銭が骨折れずに入った時であったから、何時もちょび/\本を売っては可笑おかしな処ばかしを彷徨うろついていたが、今日は少し気楽な贅沢が為て見たくなって
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
それも多少すこしは祖母を引うけた家から扶助みついでもらって僅かに糊口くらしを立てていたので、お秀の給料と針仕事とでは三人の口はとても過活すぐされなかった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ケサ、六時ロクジ林房雄氏ハヤシフサオシ一文イチブンンデ、ワタシカカナケレバナルマイトゾンジマシタ。多少タショウ悲痛ヒツウト、決断ケツダン、カノ小論ショウロン行間ギョウカンアラナガレテ清潔セイケツゾンジマシタ。文壇ブンダン、コノ四、五ネンナカッタコトダ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)