“侮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あなど87.9%
あな5.5%
あなどり4.9%
あなづ0.5%
あなどる0.5%
さげす0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
樣々な懊惱あうのうかさね、無愧むきな卑屈なあなどらるべき下劣な情念を押包みつゝ、この暗い六疊を臥所ふしどとして執念深く生活して來たのである。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
女は泣くもの歎くものと昔から許されていることも、口先ではあなどっているものの、衷心ではほんとに美しいこともある。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
庶民のあなどりを買うような仕儀に到らば打捨てては置かれまい、よし一人の私情は忍び難くとも、流れ清き徳川の旗本の面目のために……
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この春彦が明日にもあれ、稀代きたいおもてをつくり出して、天下一の名を取つても、お身は職人風情とあなづるか。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
夫を主人と思ひ敬ひ慎みてつかうべし。かろしめあなどるべからず。総じて婦人の道は人に従ふに有り。夫に対するに顔色言葉遣ひ慇懃にへりくだり和順なるべし。不忍ふにんにして不順なるべからず。おごりて無礼なるべからず。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それで栄一は遊女通ひするものを最も卑怯な男子としてさげすんだ。それは女の讃美の為めではなくして、自己満足の為めに行くからであつた。つまり一種の自慰である。真の恋は自慰ではない。