“軽侮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けいぶ89.7%
あなど3.4%
あなどり3.4%
さげすむ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……本当に足軽なかまの或る者はそう云って嗤い、感心するよりも軽侮けいぶした態度で、遠慮もなくかれに仕事を押し付けるのだった。
足軽奉公 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
彼は性来の臆病から、仮令たとえ自分で自分に知れる程度にとどめて置いたとは言え、自然を蔑視さげす軽侮あなどらずにはいられないような放肆ほしいままな想像に一時身を任せた。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どの顔も獰猛どうもうで、よく見るとその獰猛のうちに、軽侮あなどりと、嘲弄あざけりと、好奇の念が判然と彫りつけてあったのは、首を上げる途端とたんに発明した事実で、発明するや否や、非常に不愉快に感じた事実である。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いつでも喧嘩けんかになってしまう。与吉がなんだあおぶくれと下から云うと、喜いちゃんは上から、やあい鼻垂らし小僧、貧乏人、と軽侮さげすむように丸いあごをしゃくって見せる。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)