“蔑視”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
べっし65.2%
さげす15.2%
さげすみ6.1%
べつし4.5%
みくび3.0%
みさ3.0%
さげすむ1.5%
みくだ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
事物の底に徴するためには、世間体や、礼儀や、遠慮や、人の心を窒息せしむる社会的虚飾などを、あえて蔑視べっししなければいけない。
それかのをんなは、最初はじめの夫を失ひてより、千百年餘の間、蔑視さげすまれうとんぜられて、彼の出るにいたるまで招かるゝことあらざりき 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
むかひかたには大いなる殿とのの窓のほとりにゑがかれしミコル、蔑視さげすみ悲しむ女の如くこれをながめぬ 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
以為おもへらく、写実小説は文学独立論を意味し、文学独立論は国民的性情の蔑視べつしを意味す、これ今の小説の国民に悦ばれざる所以ゆゑんなりと。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
コツ/\と、ステッキさきで下駄の鼻を叩いた。其顏には、自ら嘲る樣な、或は又、對手を蔑視みくびつた樣な笑が浮んでゐた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
寄生木になつて栄えるはきらひぢや、矮小けち下草したぐさになつて枯れもせう大樹おほきを頼まば肥料こやしにもならうが、たゞ寄生木になつて高く止まる奴等を日頃いくらも見ては卑い奴めと心中で蔑視みさげて居たに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
われ彼の墓のほとりにいたれるとき、彼少しく我を見てさて蔑視さげすむごとく問ひていひけるは、汝の祖先は誰なりや 四〇—四二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
然るに昇は何の道理も無く何の理由も無く、あたかも人をはずかしめる特権でももっているように、文三を土芥どかいの如くに蔑視みくだして、犬猫の如くに待遇とりあつかッて、あまつさえ叔母やお勢の居る前で嘲笑ちょうしょうした、侮辱した。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)