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蔑視
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さげす
ふりがな文庫
“
蔑視
(
さげす
)” の例文
それかの
女
(
をんな
)
は、
最初
(
はじめ
)
の夫を失ひてより、千百年餘の間、
蔑視
(
さげす
)
まれ
疎
(
うと
)
んぜられて、彼の出るにいたるまで招かるゝことあらざりき 六四—六六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
自分を信用させようと骨を折っている、男の
狡黠
(
わるごす
)
い態度も
蔑視
(
さげす
)
まれたが、この男ばかりを信じているらしい、母親の水臭い心持も腹立しかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼は性来の臆病から、
仮令
(
たとえ
)
自分で自分に知れる程度にとどめて置いたとは言え、自然を
蔑視
(
さげす
)
み
軽侮
(
あなど
)
らずにはいられないような
放肆
(
ほしいまま
)
な想像に一時身を任せた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
平民の娘と
蔑視
(
さげす
)
まれつづけて、針の蓆にいるような辛い思いをしていたという。
魂の喘ぎ
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
ロミオ
戀
(
こ
)
ひ
焦
(
こが
)
るゝ
效
(
かひ
)
もなく、
其人
(
そのひと
)
の
爲
(
ため
)
に
蔑視
(
さげす
)
まれて。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
われ目をさだめて見しに一旒の旗ありき、飜り流れてそのはやきこと
些
(
すこし
)
の
停止
(
やすみ
)
をも
蔑視
(
さげす
)
むに似たり 五二—五四
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
お島は
耳朶
(
みみたぶ
)
まで紅くなった。若い男などを
有
(
も
)
っている
猥
(
みだら
)
な年取った女のずうずうしさを、
蔑視
(
さげす
)
まずにはいられなかったが、やっぱりその事が気にかかった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
こうお種は言って、土地の風俗を
蔑視
(
さげす
)
むような眼付をした。楽しそうな御輿の響は大切な若い
子息
(
むすこ
)
を
放縦
(
ほしいまま
)
な世界の方へと誘うように聞える……お種は正太のことを思ってみた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
室を嫌っているとしか考えぬお増のそういって聞かす
言
(
ことば
)
の意味が、お今にはおかしく思えたり、自分から勧めた縁談に、気のいらいらするようなお増が、
蔑視
(
さげす
)
まれたりした。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
一方には左樣いふ女と碌に口も利かないほど彼等を憎み
蔑視
(
さげす
)
むやうな心を持つて居ました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「私来たことあるのよ。
解
(
わか
)
るでしょう。でも
蔑視
(
さげす
)
まないでね。」
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
一層醜くも
蔑視
(
さげす
)
ましくも思えた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
蔑
常用漢字
中学
部首:⾋
14画
視
常用漢字
小6
部首:⾒
11画
“蔑”で始まる語句
蔑
蔑如
蔑称
蔑侮
蔑意