蔑視べつし)” の例文
以為おもへらく、写実小説は文学独立論を意味し、文学独立論は国民的性情の蔑視べつしを意味す、これ今の小説の国民に悦ばれざる所以ゆゑんなりと。
国民性と文学 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)
私に造主つくりぬしはきつと私の爲ることを許して下さるだらう。世の中の判斷には——私は、それに係らない。人々に意見には——私はそれを蔑視べつしする。
で、将門が源家の女を蔑視べつしして顧みず、他より妻を迎へたとすると、面目を重んずる此時代の事として、国香も護の子等も、殊に源家の者は黙つて居られないことになる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)