“剰”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
あま52.6%
あまつさ25.7%
あまつ9.9%
まけ2.6%
おまけ2.6%
つり2.0%
アマ1.3%
あまさ0.7%
0.7%
のこ0.7%
0.7%
アマツ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかるに悉皆しっかい成就の暁、用人頭の為右衛門普請諸入用諸雑費一切しめくくり、手脱てぬかることなく決算したるになお大金のあまれるあり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あまつさえ「物惜しみをするな」とまで云われたのがぐっと答えて、左大臣が所望しょもうとあらば、どんな物でも差出す料簡りょうけんになったのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
此凄まじい日に照付られて、一滴水も飲まなければ、咽喉のどえるをだま手段てだてなくあまつさえ死人しびとかざ腐付くさりついて此方こちらの体も壊出くずれだしそう。
まあさ、そんな中へ来やあがって、おまけに、空くのを待っていた、と云う口吻くちぶりで、その上横柄だ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おまけに名高い吝嗇家しみつたれだつた作松は、仲々それに応じなかつたが、一月許り経つと、打つて変つた熱心な信者になつて、朝夕仏壇の前でげた修証義しうしようぎ
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
青楼ちややへ遊びにゆく客といふものは、大抵見え坊で、内証ないしようはぴいぴいでも、懐中ふところには山をひ、やしきを購ひ、馬を購ひ、郵便切手を購ひ、おつりで若いをんな微笑わらひを購ふ位の財貨かね
山を照し、谷を輝かして、アマる光りは、又空に跳ね返つて、残る隈々クマグマまでも、鮮やかにうつし出した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
うちの昌作叔父さんと来たらマアうでせう! 町の人達もさぞ小川のあまされ者だつて笑つてるだらうと思ひましてね。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
差引き勘定をしたならば、まだ自分の方にり銭が戻らなければならぬような気がする。主君と思えばこそ、せっかく、これを機会に、まごころ込めて無謀な移住を思いとどまらしめようとした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
午前あさの三時から始めた煤払いは、夜の明けないうちに内所をしまい、客の帰るころから娼妓じょろうの部屋部屋をはたき始めて、午前ひるまえの十一時には名代部屋を合わせて百幾個いくつへやに蜘蛛の一線ひとすじのこさず
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
昨日は英語で一番綴りの長いことばの事を言つたが、今日は林檎の冤罪をそゝいだおけに、世界中で一番長い名前をお知らせする。
アマツサヘ、四面海ノ三方ヲフサガレ、国中ノ兵糧ハ知レタモノナリ。コノ一事ヲ以テモ、上方勢ト取合フコトノ無益ハ、匹夫モサトルベシ。トヲニ一ツモ相対スベキ勝味ハ無キナリ
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)