つり)” の例文
旧字:
青楼ちややへ遊びにゆく客といふものは、大抵見え坊で、内証ないしようはぴいぴいでも、懐中ふところには山をひ、やしきを購ひ、馬を購ひ、郵便切手を購ひ、おつりで若いをんな微笑わらひを購ふ位の財貨かね
馬鹿を申せ、命の取り代えも対手あいてによりけり、久八なぞの安首につりを取られてたまるものか。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何時いつ煙草たばこを買う煙草屋で、九銭の朝日を買って、それで一銭のおつりを貰ったこと、込みあった電車へ乗って、前に立った女学生と足を松葉つなぎにしていて、じぶんで顔をあからめたこと
妖影 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)