“ま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
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(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それは、ともかく、こんなところでマゴマゴしていると、また客にとっつかまる。このに提灯を消して急いで逃げ出しましょう」
「何が無くとも、熱い雑炊でも進ぜよう。ず先ず炉端へくつろがれるがい、夜が明けたら、早速麓の村まで送り届けて進ぜよう」
それじゃあ砂をいて置いたらどうでしょう。その男が空でも飛んで来れば別ですが、歩いて来るのなら足跡はのこる筈ですからね。
青年と死 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
やがて大きなつめでひっかくようながするとうと、はじめわれていたものがろしいけもののになって
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
おじいさんは、来年になるのをったのです。ついに、そのがきました。すると、常夏は、ぐんぐんときくなりました。
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
も、紙鳶に相応しい太いだし、それがかれてあるも、子供では両手で抱へてゐなければならぬ程、大きな立派なものである。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
「ああ、いい事があらあ」釈迦の十蔵と云うだ二十二三の男が叫んだ。彼は忠次のを貰ってから未だ二年にもなっていなかった。
入れ札 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
相接する機会が多く、じっさい、何だかんだとしじゅう一しょに噂の種をいて世間の脚下灯に立っているんだから、むを得ない。
必ず坐して守り以てそのむるをつ、その醒むるを俟つにあらず、その懼るるを俟つなり〉とある、自分を懼れぬ者を食わぬのだ。
この意見は、本来はなんの根拠もないものではあるが、のあたり眺めたときには私の想像力がすぐなるほどと思ったものであった。
光秀は恩を謝して、それを持つと、歩卒にじって、前線に出、乱軍となると、敵地へふかく駈けこんだまま姿をかくしてしまった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
がきますと、いままでの、しいは、ぱたりとかられて、ひらひらとって、ちてしまいました。
三匹のあり (新字新仮名) / 小川未明(著)
眼玉をいて、ばたきをえて見せる。目や鼻や口を、皺苦茶に寄せて見せる。長いベロを伸ばして、鼻の頭まで届かせて見せる——
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしまもるところのものは、権利、自然の大法、一歩もぐることのできない各人の自己に対する主権、正義、真理、などである。
そんな素直えものどこかにかないでもなかったのですが、ぎの瞬間にはけぎらいが全身んでうのでした。
で、旅宿の一で出来るだけ小さくなつて、溜息ばかりいてゐると、次の日曜日の朝、夫人は金糸雀のやうな声ではしやぎ出した。
草がからだをげて、パチパチったり、さらさら鳴ったりしました。霧がくなって、着物はすっかりしめってしまいました。
種山ヶ原 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「なんの、ばかばかしい。なんとか名を付けてしでも取ろうとするのは駕籠屋の癖だ」と、外記は直ぐに思い直して笑った。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
朝霧がうすらいでくる。庭のからかすかに日光がもれる。主人きたばこをくゆらしながら、障子をあけして庭をながめている。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
教会へは及ばずながら多少の金を取られてる、して家庭禍殃種子かれでもようものなら、我慢が出来るか如何だらう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
してお金の事など、どうして頼む事が出来よう。意気地のない私はお金を儲ける事などは無論のこと、借りに行く所さえないのだ。
愛の為めに (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「叔母さん、どんなに私は是方へ参るのが楽みだか知れませんでしたよ。お近う御座いますから、たこれから度々寄せて頂きます」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、俺は、悟空の(力と調和された)智慧と判断の高さとを何ものにもして高く買う。悟空は教養が高いとさえ思うこともある。
行くゆく沿道の村落で聞く風説などにも、ずいぶん戒心を要するものがある。その中には多分に、敵の流言もじっているからだった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いまさら、けツこはないでせう……。こゝまで来て敗けたりしちやア眼もあてられない。私は、敗けるなンざア考へてもみない。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
次第に日はかたむいて、寺院のあたりを徘徊する人の遠い足音はいよいよれになってきた。美しい音色の鐘が夕べの祈祷を告げた。
御蔭られた品物りましたよ」とひながら、白縮緬兵兒帶けた金鎖して、兩葢金時計してせた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もののようにえた呂宋兵衛は、すでに、味方ばはきずつき、半ばはどこかへ逃げうせたのを見て、いよいよ狼狽したようす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卓子にウイスキーのていてこっぷの飲み干したるもあり、いだままのもあり、人々はい加減に酒がわっていたのである。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
男もた余り我儘過ぎると思ひますの——梅子さん、是れは世界の男に普通のでせうか、其れとも日本の男の特性なのでせうか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
あの人のそうと目標にされるような、大女優にして残したかった。こういうのも貞奴の舞台の美を愛惜するからである。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
其後雲飛壮健にして八十九歳にした。我が死期れりと自分で葬儀仕度などを遺言して石をむることをじた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『十八丁だすて、東光院まで。……この道をぐに行きますと、駐在所があつて、其處から北へ曲るんやさうだす。』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
甲州小判大判取りぜ、数万両、他に、刀剣、名画等を幾何ともなく強奪したのを最後に、世の中から姿を消してしまったそうじゃ
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
眼がう。隣歩きで全然力が脱けた。それにこのろしい臭気は! 随分と土気色になったなア! ……これで明日明後日となったら——ええ思遣られる。
本草経の所謂神農本草経であることは論をたない。しかし当時此名の下に行はれてゐて信頼すべき書は存在してゐなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
何らかの意味において基底的なるものが考えられるかぎり、それは自ら働くものではない。自己否定を他にたなければならない。
デカルト哲学について (新字新仮名) / 西田幾多郎(著)
『ボズさん!』とはず涙聲んだ。狂氣眞似をするとふか。滿眼つるにかした。(畧)
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かれ出雲に到りまして、大神を拜みへて、還り上ります時に、の河一八の中に黒樔の橋一九を作り、假宮を仕へりて、さしめき。
げてお願い申上げまする、水府御老公さま御一身に関して、なにやら軽からぬ言上がこれあるやに……」
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
げてのごととしてするべきならずよしやげればとて我親してれはなすまじく乞食非人落魄るとも新田如きに此口れてもけを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
心の何処かにだ残ってる政治的野心の余燼等の不平やら未練やら慚愧やら悔恨やら疑惑やらが三方四方から押寄せて来て
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
而も、手を挙げて合図した彼の胸のポケットには、幼い英司君の写真が収められてゐたのだと思ふと、たしても、涙を誘はれるのである。
旧友の死 (新字旧仮名) / 辰野隆(著)
他力易行と教えて来たが、思いにさる事実の応験。愛慾泥裏の誑惑の男と女がそのままに、登る仏果の安養浄土、恐ろしき法力ではあるなあ。
取返し物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
忘れんとして躊躇する毛筋の末を引いて、細いに、絶えるほどにつながるる今と昔を、のあたりに結び合わすである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おはんも何かないと、お困りだろうからね、さんなら、堅くてさっぱりしていて、世話の焼けない方だから、よかろうと思ってね。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あるいは例の消極的修養に必要な道具かも知れない。し或る学者が何とかいう智識をうたら、和尚両肌を抜いでしておられた。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
われは身の既に死して無際空間の氣海に漂へるを覺えたり。我身はに昇りて天にせる父のに往かんとす。然るに一物の重く我頭上を壓するあり。是れ我罪障なるべし。
何者であるか更に想像は附かぬけれど確かに帽子を深に冠り、目には大きな目鏡を掛けて居た様に思われる、通例の人ではなく、他人に認められるを厭う人だと云う事は是だけで分って居る。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
そうすると嫁にいって三日目にたった一人の下女が急に病気になって宿へ下がりました。良人は社へ出て不在ですし、晩になっても御飯の副食物らえる事が出来ません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
こう極端になってはもう物頭たちのえもきかない。帷幕からの厳命も、部将にかせておいたのでは、到底収拾はつくまいと、勝家は思い極めたものとみえる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乳が止まることのあるものだと聞くと、乳母は、胸へ手を当て、眼をるくした。「ともかく明日わたしが又来るから、そのとき模様を見てあげよう。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
私もいつかその口ねを覚えて、天幕の店へ坐っていた。
雨の回想 (新字新仮名) / 若杉鳥子(著)
よくも案内を知らないので半分はひ子になりながら、この騒ぎのなかを怪我もしないで見てあるくうち、とう/\宮城へ入り込んでしまひました。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
次に右の御髮の輪にかれていた珠をお請けになつて囓みに囓んで吹き棄てる息の霧の中からあらわれた神はアメノホヒの命
女にしてみると、こうして見出されるよりは、いままでのように誰にも気づかれずに婢としてはかなく埋もれていた方がどんなにしか知れなかった。……
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
む者はなり、其故如何? さに現われんとする天国に於て其人は安慰を得べければ也とのことである。
看板の宣伝かたがた札びらを切って歓を交し、多勢の女中にも余分の祝儀をばらき、お母さんお母さんとりたてられて、気をよくしているのであったが
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
何か知らぬがだ/\金ピカ/\の本が大きな西洋書棚に一杯あるさうで、大抵な者は見たばかりでに巻かれるさうだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
寛畝さんのものはわりによくねてあると思いますが、真物はまだまだずっと筆に勁烈なところがあります。
贋物 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
かれ天皇、その謀をらしめさずて、その后の御膝をきて、御寢したまひき。
「須磨口からしぐらに、街道をすすんでくる一軍こそ、足利直義の主力。だが、あわてるなと申せ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はむしろ懸崖の中途が陥落して草原の上に伏しかかったような容貌であった。細君は上出来の辣韮のように見受けらるる。今余の案内をしている婆さんはあんぱんのごとくるい。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかも裁判長の態度には、その教養あるものに対するのとはるでちがつた同情があるのですから、その点でも当然もう少しの理解はあつてもいゝものだと私は考へたのです。
ある女の裁判 (新字旧仮名) / 伊藤野枝(著)
それから私の手の下で、小さな咽喉仏を二三度グルグルとわして、唾液をのみ込むと、頬を真赤にしてニコニコ笑いながら、いかにも楽しそうに眼をつむった。
冗談に殺す (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ホコリにみれた素跣足の上に、背縫の開いた囚人服を引っかけて、太い、新しい荒縄をグルグルと胸の上まで巻き立てている彼の姿を見たら、大抵の者が震え上がったであろう。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しどろの足をねされて、飛行の空にがるゝ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
げて、自分一存の計らいを取りおきましたことは罪万死にいたしまする。法はすべからずです。今日参上いたしましたのも、まったくは唯、そのご処分を
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正面は群集で身動きもならないので、いたのだ。
アリゾナの女虎 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
自分心配だけをからからけてはねばへられなかつたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
して初めより、如何あらんと疑弐する日に出でゝ、興趣を感ずべき筈なし、に時間と金銭を費すに過ぎず。
研堂釣規 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
聡明にして感情を有したる地下の故人、さに余の依然として呉下蒙たるを笑ふなるべし。地下の故人よ、嗚呼余は依然として呉下蒙たるなり。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
鷲尾が畳みかけると、微笑っている無邪気そうな眼の中を、おそろしくせたものが一瞬キラリとよぎったと思われた。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
『かしこきやすめら御國はうまし國うら安の國くにのまほくに』『百八十と國はあれども日の本のこれのにます國はあらず』『天地のそきへのきはみぎぬとも御國にましてよき國あらめや』
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ぐさ小屋の中の高いびきは、めし心地よい熟睡におちているだろう。お長屋もみんなえて、卜斎の家のなかも、のこえなく、いもたえて、シンとしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
己酉(二十八日)……さらに日本乱伍中軍の卒を率いて進みて大唐の軍をつ。大唐、便ち左右より船をみてり戦う。須臾官軍敗績れぬ。水にきて溺死る者し。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
また竹は勢よく割れるものであるから人間たるものの気性もさにそうあるべきものだとそれに比較せられます。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
上に述べた通り、古エジプトや西アジアや古欧州の竜は、あるいは無足の大蛇、あるいは四足二翼のものだったが、中世より二足二翼のもの多く、またれに無足有角のものもある。
やぶれた床の下を水だけがもとの儘せせらぎの音を立てて流れてゐるやうなのもじつてゐた。
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
哭きつつぎしかば、すなはち見得て、その木をきて、取り出で活して、その子に告りて言はく、「汝ここにあらば、遂に八十神にさえなむ」
知らせに驚いて出先から、兄が飛んで来ますし、ひっそりとした田舎の家が、たちまち人の大群に取りかれて、れるような騒ぎになりました。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
が身はけし
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
夫れ大人を立つる、必ず時に随ふ。も民に有らば、何ぞ聖造はむ。山林披払宮室経営りて、みて宝位に臨み、以て元元を鎮むべし。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
すなわちこの様に解釈してこそこの歌、すなわち、「りにきし山路どひしつ」
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
半島の東側面には方言にと称する大小の入江が多く、西海岸は反対にほとんと一続きの砂浜であるが、その砂浜に尻を塞がれて今も小さな潟が残り
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
往反ノ者ノ路ニラザルハナシ矣、ノ俗天下ニ女色ヲヒ売ル者、老少提結シ、邑里相望ミ、舟ヲ門前にギ、客ヲ河中ニチ、キ者ハ脂粉謌咲シテ以テ人心ヲハシ
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
何とも思わんな。さ、おとっさまの前で一度言って見なさい、さ言って見なさい。御先祖代々のお位牌も見ておいでじゃ。さ、一度言って見なさい、不孝者めが‼
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
菊五郎の松王丸、「やれたれよ玄蕃殿」と声かけ駕籠より出で、左手に刀をき、下手の床几にかかり「助けて返す」にて咳入り「つら改めて」にて右手を懐に入れ、後へ体をのしてきまる。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
お附の者に連れられて自分のに帰って、昨日にもして結構な朝御飯を済ました。ところがその御飯が済むと、やがて一人の立派な軍人が這入って来て藍丸王に最敬礼をながら——
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
彼は、女にけない程度に冷静を装ったつもりだけれど、その文束を持った指先が無残にふるえていた。
ふみたば (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
秩父宮召したまふなりあなかしこ麻布第三聯隊にゐのぼる我は
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
旅籠屋に帰ってから、半蔵らは珍客を取りいて一緒にその日の夕方を送った。正香というものが一枚加わると、三人はを乗り出して、あとからあとからといろいろな話を引き出される。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ツたくそれだ、其何物かだよ。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
代助は赤いの両を、少しなりにの方へげてむ様に笑つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しやい。だから、みんなけて御仕舞なさい」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
殆んど暴君のような逞しい勢いで払っているもなく襲ってくるのであった。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
乗り込んで来るのは真昼間である。鍋の底からは愛嬌いて出る。うは笑の波だと云う。ぜるのは親切の箸と名づける。鍋そのものからがよく出来上っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて瑠美子たちの愛らしい一組の新舞踊も済み、親たちが自慢の衣裳をつけて、年の割りにひどくせた子も引っ込んで、見応えのある粒の大きいのも、数番つづいた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼は佛教が尤も孝道を重んずることを主張し、儒教も佛教の協力をつて、一層孝道を完成することが出來ると主張して居る。されど彼の主張は、決して論爭的でなく、寧ろ妥協的である。
じっと、見詰めていると最初銀かニッケルと思った金属は、銀ほどは光が無くニッケルほど薄っぺらでないのに、気が付いた。彼は指先で、二三度でて見た。それは、ぎれもなく白金だった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そこは人間のはかさ! 火焔と見せて汝を偽むき、その間に大地を掘り返し、床板をねて廊下に出でしは、火竜土竜局地秘法! これより寝所にかり通り
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我邦学問の独立せざる久し。王仁儒学を伝えてより以来、今日に至るそ二千余年の間、未だ曾て所謂る独立の学問なるものありて我が子弟を教授せしを見ず(謹聴)。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
卑劣と知って、人の手先にはならんでも、われに対する好意から、見損なった母の意をけて、御互に面白からぬ結果を、必然の期程以前に、家庭のなかにける事がないとも限らん。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この時瓦師土を取りに出ると駒随い行き、その土を袋に満ててしまうを見て背を低くす。袋を載せると負うて宅へる。因ってこれを留め胡麻滓ぜて飼い置いた。
雕物した盆に蜜と粳米ぜて入れたのを食うべきだ、明日また使が来たらこう言いなさい、瓦師は物をらぬと侮って、智馬と知りながら知らぬ真似して凡馬の値で買うとは
うむ、くなくつちや收穫んねえものよそら、らあにや此間のやうにあもんだたあねえのがんだから、現在ぢやはあ、悉皆利口んなつてつかららがにやんねえが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れがにやえゝんだよ、隨分つたから、おことあねえこたねえが、悉皆揶揄え/\したからそんでさうだこといふやうんつたんだな、有繋あれだつてつちやんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ところで、さように早速、大人の事が出来るものでない、自分のずさがはっきりとる、それで絵をかく事も詩を作る事も嫌になる子供が、先ずこの時期において大部分を占めてしまう。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
如何にずい西洋人の絵にしてもが、かなりの日本人の絵の側へ置いて見ると絵の心の高低は別として日本人の絵は存在を失って軽く、淡く、たよりなく、幽霊の如く飛んで行く傾向がある。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
由て今左に同氏の説を紹介するが、これは今からさに百二十一年前の文政四年〔一八二一〕に出版と成った同氏著の『槻の落葉信濃漫録』に載っている文章である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
〔補〕今からさに六十二年前の明治十四年十二月に、東京大学の松村任三先生が「神樹果して日本に生ずるや」と題する一文を当時の『郵便報知新聞』に掲げて大いに気焔を揚げられた事があった。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
まことや、魔の睫毛一毫に、いま、右の目に鏨を丁と打ったと思うと
魔の睫毛一毫がきっとある。
吾背子をなこの山の喚子鳥君喚びかへせ夜の更けぬに (巻十、雑)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
忘れはしい。たとえ彼等がその手段においては誤っていたとしても。
一にく、を以て貴しとし、ふこと無きをと為せ。人皆有り、れる者少し。を以て、或は君父はずして隣里ふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
れ遠謀禍殃を招くをん 牆辺耳あり隄防を欠く 塚中血は化す千年なり 九外屍は留む三日香ばし 此老の忠心皦日の如し 阿誰貞節として秋霜 た知る泉下遺憾無きを 
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
るとんで仕舞ふであらう、はれると頭痛がする、くとがまわる、れも/\てはやなれば、お何卒つてと似合愛想づかし
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
過去に見事なものがあつたのは言ふをたない。だが現在でも、見事なものを得ることが出来、又産むことが出来る。
和紙の美 (新字旧仮名) / 柳宗悦(著)
推するに榛軒は貞白の定まるをつて金を授けたのであらう。自ら「嚢物常無半文儲」を歎じつゝも、友を救ふがためには、三十金を投じて惜む色がなかつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
どもの、にはて、にはみ、き、黒煙いて、ともはず、ともはず、んで、躍上り、飛蒐り、狂立つて地獄形相したであらう
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
縁日へ行って買って来てやるから構わない。少し腰を痛めたから、其後は何にもしなかった。第一日はず成功だろう。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
竹屋時節にあらず、金格子東海樓つた青樓さの、今日腹工合と、懷中都合つて、天利といふので午餉にしよう、とやれ
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いつも悲鳴に似て、なにかが凶がしく心細い気のするものだ。大ぶん天気が続いたあとのせいか、これからしばらくは、ついぞ好い日に恵まれなかった。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
昨日は英語で一番綴りの長いの事を言つたが、今日は林檎の冤罪をいだおけに、世界中で一番長い名前をお知らせする。
だから、使うものが、こうしてや、安心してべることができる。たとえ、世間にいくらまえのこえた陶器師でも、そのしんせつながけがなかったら、なんのにもたたない。
殿さまの茶わん (新字新仮名) / 小川未明(著)
わりを取巻いていた職工たちが、その揺れの拍子を捕えて、丁度足場の上へ押して行った。
工場細胞 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
加之、識る人も識らぬ人も醉うては無禮講の風俗をかしく、朱欒の實のかげに幼兒と獨樂はし、戸ごとに酒をたづねては浮かれ歩く。祭のあとの寂しさはまた格別である。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ろやかに馬手は胸の上に置き左苺の草つむ少女
短歌 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
大原君はたといお代さんと婚礼するにしても形だけの婚礼で心は独身をもるつもりだといっています。大原君の心は何事があっても貴嬢を離れる事がありません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
保つ事は覚束ないが(国にいれば高等官一等から五つ下へ勘定すれば直ぐ僕の番へわってくるのだからね。もっとも下から勘定すれば四つで来てしまうんだから日本でもあまり威張れないが)とにかくこれよりもさっぱりした家へ這入れる。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まあ、けときねえな。それを、お前、大先生に叱られたって、柔順に別れ話にした早瀬さんも感心だろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
に彼はさも思へらんやうにみ、喜び、誇り、楽める色あり。彼のは為にふばかり無く輝ける程に、常にもして妖艶に見えぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
束髮薔薇りもなき湯上りの單衣でたち、素顏うつくしき富士つきりて、秋風ふけどねきし塗柄團扇面影はなれぬ貴公子あり
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
い寄ると解釈すりゃ、ダンスでもする奴かな。」
渦巻ける烏の群 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
「あはやといふところで、けてしまつた。」と唸りながら卓子に突ツ伏した。
競馬の日 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
体に合わせて作るための力強いげ方、その皮を固く緊着せる帯の織物としての柔らかさなどが、実に細かく表現せられている。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
忌々しげに、顔をゆがめ、角三郎は小石を拾って、梢へ投げた。——ぱっと、すごい羽搏きが、そこを離れ、枯野の上を、った。
御鷹 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
譜本ふやうに、距離釣合へず、いて、つと途端敵手胸元貫通絹鈕をも芋刺にしようといふ決鬪師ぢゃ。
『では、だおはそれをらないんだわ』とつてちやんは、『でも、おつてから——何時かしら屹度るわ——それからになるに、 ...
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
犬烏む。天皇此のぶ声を聞きて、心に悲傷す。群卿にして曰く、それ生くるときにみし所を以て亡者はしむ。これ甚だなり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
なげ、とびのびにをそへてるゝをれし、其折とや、信如いかにしたるか平常沈着ず、のほとりのにつまづきて赤土道をつきたれば
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
為世は晩年にその子にみな先立たれ、それから未曾有の大乱に遭遇し、そして吉野朝と京方との対立が持久的状態にふみ入ろうとするところまでに見て死んだのである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
わが歌は腹の醜物るとの窓の下に詠む歌
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
究竟君の方に損の掛らん限はけてもらひたいのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すぐ人波にき込まれた。
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
天下の羣小いで、いたずらにタイモンのりを招くよりは、を九き、を百えて、りその起臥する方が遥かに得策である。余は公平と云い無私と云う。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その弟子がみ聴いてその咒をえて、道士の留守をうて鬼をんだ。鬼は現われて水をき始めた。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
お艶は肩をめて、自分の袖をさぐって居ります。少し伏目に、八五郎を讃歎させた白い額を見せて、柔らかい公卿眉と、美しい鼻筋、ほのかな唇の紅が、幾人かに恋患いをさせた魅力でしょう。
一度ならず二度までも軽々と、あの母親のいうことを真実に受けて、この貴重な脳神経を、どんなに無駄に浪費したか知れぬ
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
神は鴉を養い給うとは詩篇にたびたびずる思想であり、また主イエスは「鴉を思い見よかずらず倉をも納屋をもたず、されども神はなおこれらを養い給う」というた(ルカ伝十二の二四)。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
この鏈頸より下をめぐりてその身のあらはれしところをくこと五囘に及べり —九〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そう思いながら、彼はさすがに人通りのれな日本堤の上を歩いていた。後から「ほい、ほいッ!」と威勢のいい懸声をしながら、桐油をかけた四つ手籠が一丁そばをり抜けて行く。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
高々と空にひすましてゐる鷹の聲である。
みなかみ紀行 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
新吉がやっと気がついて、その調子に合せようとすると、案外く調子を静め、それからステップの合間/\老成せたさゝやきを新吉の耳に聞かせ始めた。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その九時頃濱野さんがて、しながら、ふと「いつかのこたつぎは、丁度節分今夜でしたね。」といふのをくうちに、はドキリとした。總毛立つてぞつとした。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それから蛸と同類で、現世界には化石となってのみを留むるアンモナイツは、漢名石蛇というほどいた蛇に似いる。
呪えども、憎めども、彼女が、不思議な恋のじの環を、どうしても抜けることが出来ぬうちに、大喜利も幕になった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
ぽっちり三臠五臠よりは附けないのに、葱と一所けて、鍋からもりこぼれるような湯気を、天井へ立てたはしい。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「旦那」と小声に下婢の呼ぶに、大洞はばしとばかり退かり出でぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
少女(ダナエを謂ふ、希臘諸神の祖なるチエウス黄金の雨となりてき給ひ、ペルセウスを生ませ給ふ)の貌はいかにも美しく、臥床の上にて黄金掻き集むる羽ある童の形もいと神々しけれど
黄昏家を出で、暫らく水際に歩してた田辺に迷ふ。螢火漸く薄くして稲苗に長ぜんとす。涼風葉をかして湲水音を和し、村歌起るところに機杼を聴く。
客居偶録 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
一列び、の上を六尺ばかり、ぐるりと廻る。手足も小さくない顔して、目立った仮髪ばかり。麦藁細工が化けたようで、黄色の声でせた事、ものを云う笛を吹くか、と希有に聞える。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、しく刀を拾うと、何を思うも無さそうに、ギラリと冷かに抜いて、鞘を棄ててげたのである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が焼け落ちて、グワラ/\とい音を立てます。逃げ迷ふ女子供の泣きく声やら、せまはる男達の足音、叫び声などワヤ/\ガヤ/\聞えて物凄い有様でした。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
「ふゝ」と、女は袖口のまくれた白いをあげて、島田のをなでながら、うつとりした目をして天井をめてゐた。
或売笑婦の話 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
座敷の三硝子障子で、廊下がグルリと𢌞はりのやうになつてゐた。障子の外へ出て見ると、中二階風に高く作られて、直ぐ下が稻田であると分つた。星明りにも見晴らしのいことが知られた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)