“驀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まっ50.0%
16.7%
まっしぐ10.0%
まっしぐら6.7%
ばく3.3%
ひたす3.3%
まく3.3%
まし3.3%
まつしぐ3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
強右衛門は、その跫音が遠く去ると、柵を躍って、まっしぐらに駈け出した。敵陣、敵地、どこをどう駈けたか、自分でも分らなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と——お通は、両手に小石をつかみ、しぐらに、城太郎と二人の郷士が斬り合っている方へ飛び出して行った。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
腹と尾に力を入れてまっしぐらに急進するが一番はやい故、専らその方を用いた結果、短い足が萎靡いびしてますます短くなる代りに、躯が蛇また蚯蚓みみずのごとく長くなり
やがて彼女も、その勢にいていれば、難なく城門の外へ出されたはずであった。けれど於菊はまわりの者の隙を見ると、突然、群れを離れて、もとの方へまっしぐらはしっていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
士気をましめるに役立っているばかりです。御軍勢一万八千が、甲府表を打立つときは、そのまま一ばくに、妻女山を揉みつぶし、一挙、越後領までも、ひた押しにせんず意気込みでした。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すばらしく鼻のきく袋猫々のことであるから、辻々に到れば、すなわち鼻をひくひくさせて、今福嬢の残香のこりか漂い来る方向を、嗅ぎあて、その方向へひたすらにすっとばしたのであった。
一息にここまでまくし立てると、あとが続かなくなつたのと、葉巻シガーけぶりが咽喉に入つたのとで、大森氏は一寸言葉を切つて、大きなくさめをした。そして苦しさうに涙を目に一杯溜めて
「味方の援軍の先鋒、山川中佐の別動旅団兵、薩軍の包囲を突破して、川尻方面からましぐらにこれへ来るぞっ! わが征討総督軍は到着したっ! もう鎮台はゆるがんぞッ——」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてまつしぐらに竹矢来の方に向つて走り乍ら「助けてくれ! 誰か! 誰か! 吉三郎!」