“まし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マシ
語句割合
35.4%
20.2%
10.1%
6.1%
6.1%
4.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
1.0%
ヶ間敷1.0%
利益1.0%
増加1.0%
1.0%
1.0%
魔子1.0%
麻糸1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何にもくれなかったよりはましだ、こう思って、あきらめるともなしにあきらめるうちに、いつか又ごろりと横になって寝てしまいました。
蕗の下の神様 (新字新仮名) / 宇野浩二(著)
お葉は覚悟をめた。𤢖わろ見たような奴等の玩弄おもちゃになる位ならば、いっそ死んだ方がましである。彼女かれは足の向く方へと遮二無二しゃにむにと進んだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ながめてゐるが此身のくすりで有ぞかしと言を忠兵衞押返おしかへは若旦那のお言葉ともおぼえずおにはと雖も廣くもあらずましてや書物にこゝろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
したか知ぬほんに一時に十年ばかり壽命じゆみやうちゞめたとうらみを云ば清兵衞否モウ其話は何かおれまけてくれ往昔むかしの樣に蕩樂だうらくをして貴樣の厄介やくかいに成にはましだらう實は此樣に仕上た身上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
提宇子でうすのいわく、DSでうす は「すひりつあるすすたんしや」とて、無色無形の実体にて、かんはつを入れず、天地いつくにも充満してましませども
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わしが止めた、いやそれは宜しくない、一人を殺すは何でもない、まして事を荒立る時には殿様のお眼識違めがねちがいになりお恥辱はじである、また死去致した渡邊織江の越度おちどにも相成る事
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
お蓮は田宮のしゃくをしながら、やっと話に調子を合わせた。が、あの船が沈んでいたら、今よりはかえってましかも知れない。——そんな事もふと考えられた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ぢきげて来さへすりや、切れると云ふんぢやなし、すこし不好いやな夢を見たと思へば、それでも死ぬよりはましだらう、と私はさう申しますと、狭山さんは、それは詐取かたりだ……
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しかし証拠が無い。ましてや確証とすべきものは無い。又試みに石川成章は何故に、何時より何時に至るまで関五郎と称したかと問はむに、何人もこれに答ふることが出来ない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
どうしてあゝして飾つてばかり置かれやう、おまけに人がお金を出したとて、どうして手離すことが出来るだらうと思案いたしました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
私はまばゆい程華やかな店先にたたずんでトント夢中に見惚みとれて居たものと見え、店の主人が近よつて声をかけました時ビツクラしました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
三月の休暇やすみまでは帰って来られないんだ。けれども家にいて姉さん達にいじめられるよりか余程よっぽどましだと思う。学校には乃公位の子供も大勢いるそうだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
けれども笑ったりしちゃいけないよ伯父さんは金持で独身者ひとりものだから、し気に入れば乃公に財産を譲るかも知れないんだそうだ。かも知れないは心細いが、全く当のないよりかましだと思う。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
少し低声こごえになった真似をして、「帳場が、また悪くヶ間敷ましいんですから、私なんか全く困るんですよ。……時々斯うして、お客様に、女中がお気の毒な目をお掛け申して。」
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「ああああ、うまうまと入ったわ——女の学校じゃと云うに。いや、この構えは、さながら二の丸の御守殿とあるものを、さりとてはうらやましい。じゃが、女に逢うには服礼あれ利益ましかい。袴に、洋服よ。」
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大塚の場末の——くるまがその辻まで来ると、もう郡部だといって必ず賃銀の増加まし強請ねだる——馬方の通る町筋を、奥へ引込ひっこんだ格子戸わきの、三畳の小部屋で。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
落せしよりはからずも無實むじつの罪に陷入おちいりたん入牢仰せ付られけるがかみ聖賢せいけんきみましませば下に忠良ちうりやうの臣あつてよく國家を補翼ほよくす故に今かく明白めいはく善惡ぜんあく邪正じやしやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「味方の援軍の先鋒、山川中佐の別動旅団兵、薩軍の包囲を突破して、川尻方面からましぐらにこれへ来るぞっ! わが征討総督軍は到着したっ! もう鎮台はゆるがんぞッ——」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕の安住したがる性質は、上品に納り返つてゐるとその儘僕を風流の魔子ましに堕落させる惧がある。
芸術その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
吾人は之を粟米ぞくべい麻糸ましと同じく唯生活する為の具として見ざるべからず。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)