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況
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まし
ふりがな文庫
“
況
(
まし
)” の例文
況
(
まし
)
て市郎は、
最初
(
はじめ
)
から
彼
(
か
)
のお葉という女を意中は
愚
(
おろか
)
、眼中にも置いて居なかったのであるが、今日の一件に出逢って
聊
(
いささ
)
か意外の感を
作
(
な
)
した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
眺
(
ながめ
)
てゐるが此身の
藥
(
くすり
)
で有ぞかしと言を忠兵衞
押返
(
おしかへ
)
し
這
(
こ
)
は若旦那のお言葉とも
覺
(
おぼえ
)
ずお
庭
(
には
)
と雖も廣くもあらず
況
(
まし
)
てや書物に
意
(
こゝろ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されども此処に
法
(
きまり
)
ありて、我が薄井の家には昔しより他郷の人と縁を組まず、
況
(
まし
)
てや如何に学問は長じ給ふとも、桂木様は何者の子何者の種とも知らぬを
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
況
(
まし
)
てや従来我が植物に
充
(
あ
)
てられし漢名には
中
(
あた
)
っていなきものすこぶる多ければ
旁
(
かたが
)
たそれを排斥すべし
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
浮世の形を写すさえ容易なことではなきものを
況
(
まし
)
てや其の意をや。浮世の形のみを写して其意を写さざるものは下手の作なり。写して意形を全備するものは上手の作なり。
小説総論
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
二人とも
這々
(
ほう/\
)
の
体
(
てい
)
にて
荷拵
(
にごしら
)
えをなし、
暇乞
(
いとまご
)
いもそこ/\に越後屋方を逃出しましたが、宇都宮明神の
後道
(
うしろみち
)
にかゝりますと、昼さえ暗き八幡山、
況
(
まし
)
て真夜中の事でございますから
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
千束
(
ちづか
)
なす我が文は讀みも了らで捨てやられ、さそふ秋風に桐一葉の哀れを殘さざらんも知れず。
況
(
まし
)
てや、あでやかなる彼れが
顏
(
かんばせ
)
は、浮きたる色を
愛
(
め
)
づる世の中に、そも幾その人を惱しけん。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
況
(
まし
)
て飛騨山中の冬の夜は、凍えるばかりに寒かった。霧に似たる
細雨
(
こさめ
)
は隙間もなく
瀟々
(
しとしと
)
と
降頻
(
ふりしき
)
って、濡れたる手足は
麻痺
(
しび
)
れるように感じた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
妻
(
つま
)
に
持
(
も
)
つ
芳之助
(
よしのすけ
)
と
思
(
おも
)
ふかよしや
芳之助
(
よしのすけ
)
が
持
(
も
)
つといふとも
我
(
わ
)
れある
以上
(
いじやう
)
は
嫁
(
よめ
)
にすること
毛頭
(
もうとう
)
ならぬ
汚
(
けが
)
らはしゝ
運平
(
うんぺい
)
の
名
(
な
)
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
しても
胸
(
むね
)
が
沸
(
わ
)
くなり
況
(
まし
)
てやそれが
娘
(
むすめ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
況
(
まし
)
てや大金を出しまして連れて来たお瀧が、松五郎の膝へしなだれ寄って亭主の事を
悪口
(
あっこう
)
を云うのだから腹の立つのも道理、茂之助は無茶苦茶に斬込んで来ましたから二人は驚き
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
文三が某校へ入舎してからは
相逢
(
あいあ
)
う事すら
稀
(
まれ
)
なれば、
況
(
まし
)
て
一
(
ひとつ
)
に居た事は半日もなし。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
内記樣
御聞込
(
おきゝこみ
)
ありて
豫
(
あらか
)
じめ
御悟
(
おさとり
)
成
(
なさ
)
れたる
體
(
てい
)
に御座候其上
伴
(
ばん
)
建部
(
たてべ
)
の兩人が事は御前の
成
(
なさ
)
れ方宜しからざる故と仰せられ
況
(
まし
)
て此事は
輕
(
かる
)
からざる儀故
早速
(
さつそく
)
御用番へ
進達
(
しんたつ
)
成るゝ間
然樣
(
さやう
)
心得よとの仰せに候と申しければ主税之助は是れを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
況
(
まし
)
てお杉はここに居ない。わが目前の敵は重太郎
一人
(
いちにん
)
である。たとい
這奴
(
こいつ
)
が
山𤢖
(
やまわろ
)
の同類にした所で、
一人
(
ひとり
)
と一人との勝負ならば
多寡
(
たか
)
の知れたものである。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
いけ年を
仕
(
つかまつっ
)
てもとかく人
真似
(
まね
)
は
輟
(
や
)
められぬもの、
況
(
まし
)
てや小供という
中
(
うち
)
にもお勢は
根生
(
ねおい
)
の
軽躁者
(
おいそれもの
)
なれば
尚更
(
なおさら
)
、
倐忽
(
たちまち
)
その娘に
薫陶
(
かぶ
)
れて、
起居挙動
(
たちいふるまい
)
から物の言いざままでそれに似せ、急に
三味線
(
しゃみせん
)
を
擲却
(
ほうりだ
)
して
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
相續爲る御身ゆゑ學問に
凝
(
こり
)
夜歩行
(
よあるき
)
一ツ
爲
(
なさ
)
らざるも
然
(
さう
)
なくては
叶
(
かなは
)
ねどとは言へ善惡二つながらお
案
(
あん
)
じ
爲
(
なさ
)
るは親御の
常
(
つね
)
況
(
まし
)
てや外にお子とてなき
和君
(
あなた
)
が餘り
温順
(
おとなし
)
すぎ
設
(
も
)
し病氣でも出はせぬかとお案じなされて玉くしげたに
親樣
(
おやさま
)
が此忠兵衞を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
況
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“況”を含む語句
状況
景況
近況
盛況
実況
戰時好況時代
被害状況
犯罪状況
況又大勢由人事
況倉卒吐言
概況
暗殺状況
旅況
不況
戦況
情況
市況
實況
場況見
場況
...