“我”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
われ26.4%
23.1%
22.4%
わが16.5%
わし2.1%
1.4%
おれ1.3%
1.0%
0.7%
あれ0.6%
ワレ0.6%
おい0.4%
おら0.4%
おの0.4%
わたし0.4%
ひと0.3%
わたくし0.3%
0.3%
0.3%
おいら0.1%
てまえ0.1%
アートマン0.1%
エゴー0.1%
0.1%
プライド0.1%
ワガ0.1%
ワゴ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或時は却て其れから逃れ出やうとあせる程な、感覺の快味に、全く「われ」を忘却してしまふ無限の恍惚———私は實に、戀それよりも
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
うつくしきかほ似合にあはぬはこゝろ小學校通せうがくかうがよひに紫袱紗むらさきふくさつゐにせしころ年上としうへ生徒せいと喧嘩いさかひまけて無念むねんこぶしにぎときおなじやうになみだちて
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「さようさよう、申すまでもござらぬ。……が、萩丸様今日まで、を張って宥免状したためませぬ。じゃによって殺そうと申すまでで」
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わがすむ魚沼郡うをぬまこほりの内にて雪頽なだれため非命ひめいをなしたる事、其村の人のはなしをこゝにしるす。しかれども人の不祥ふしやうなれば人名じんめいつまびらかにせず。
杖に縋って早や助かれ。むすめやい、女、金子は盗まいでも、自分の心がうぬが身を責殺すのじゃわ、たわけ奴めが、フン。わしを頼め、膝を
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
角の質屋の旦那どのが御年始着だからとて針を取れば、吉はふふんと言つてあの兀頭はげあたまには惜しい物だ、御初穂おはつうれでも着てらうかと言へば
わかれ道 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
桝組ますぐみ椽配たるきわりもおれがする日には我の勝手、どこからどこまで一寸たりとも人の指揮さしずは決して受けぬ、善いも悪いも一人で背負しょって立つ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「これの鏡は、もはらが御魂として、吾が御前をいつくがごと、いつきまつれ。次に思金の神は、みまへことを取り持ちて、まつりごとまをしたまへ
足柄の御坂ミサカカシコみ、くもりゆの底延シタバへを、言出コチデつるかも(万葉巻十四)
そ我が國に來て、しのび忍びかく物言ふ。然らば力競べせむ。かれあれまづその御手を取らむ一二」といひき。
はだすゝきほにワレ尾田ヲダのあかたふしの淡の郡にいます神あり(神功紀)
今詫びたからとて甲斐かひはなしと覚悟して、太吉、太吉と傍へ呼んで、お前はととさんの傍とかかさんと何処どちらが好い、言ふて見ろと言はれて、おいらはおとつさんは嫌い
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「本当にそれが一番早道だア、とおらア、いつでも言ふんだけど、まさか、それも出来ねえと見えて、それを遣つて呉れる人が無えだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
第五番に、檜扇ひおうぎ取って練る約束の、おのがお珊の、市随一のはれの姿を見ようため、芸妓げいこ幇間たいこもちをずらりと並べて、宵からここに座を構えた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたしは賊でございます。海賊赤格子九郎右衛門の娘本名お粂、今の名はお菊、すなわち殿様のご愛妾、お菊殿の一の乾児、海蛇の忠蔵とは私のこと。
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ひとの折角洗つたものに何する、馬鹿めと突然だしぬけに噛つく如く罵られ、癇張声に胆を冷してハッと思へば瓦落離ぐわらり顛倒、手桶枕に立てかけありし張物板に
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そもそも始よりわたくし心には何とも思はぬ唯継ただつぐに候へば、夫婦の愛情と申候ものは、十年が間に唯の一度も起り申さず、かへつて憎きあだのやうなる思も致し、其傍そのそばに居り候も口惜くちをしく、つくづうとみ果て候へば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
馬鹿野郎呼はりは太吉をかこつけにれへの当こすり、子に向つて父親てておや讒訴ざんそをいふ女房気質かたぎれが教へた、お力が鬼なら手前は魔王、商売人のだましは知れてゐれど
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その音が上の語の語尾音と合して一音となることがある(荒磯アライソ—ありそ、ウヘ—をのへ、イヘ—わぎへ、漕ぎで—こぎで)。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
おれもさ、狒々ひひ巨蛇うわばみなら、片腕で退治て見せらあ。「おいらだって天狗の片翼を斬って落すくらいなら、朝飯前だ。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もみじのうちで、さしむかいに食べられた時を思いますと、てまえもう、ここが
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仏性を波羅門の「アートマン」のごとくに解するものは、仏性の覚知を説く点において、右の消息を知らない。彼らは「風火の動著どうじゃする心意識」を仏性の覚知と誤認しているのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
彼のシバルリイは「エゴー」を重んじて、軽々しく死し軽々しく生きず、我がシバルリイは生命を先づ献じて、然る後にシバルリイを成さんとするものゝ如かりし、己れの品性はみがくこと多からずして
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
美しさには心惹かれても、結局、美の根柢が自然を「」で変造したものなのである。
さかしまに天国を辞して奈落の暗きに落つるセータンの耳を切る地獄の風はプライド! プライド! と叫ぶ。——藤尾は俯向うつむきながら下唇をんだ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
アキラカニ聴ケ諦ニ聴ケワガ教令ヲ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
A○やすみしゝワゴおほきみの 恐也カシコキヤみはかつかふる山科の鏡の山に……(万葉巻二)