あれ)” の例文
そ我が國に來て、しのび忍びかく物言ふ。然らば力競べせむ。かれあれまづその御手を取らむ一二」といひき。
足柄あしがら彼面此面をてもこのもわなのかなるしづみあれひもく 〔巻十四・三三六一〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
芝付しばつき美宇良崎みうらざきなるねつこぐさ、相見ずあらばあれひめやも
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あれをおきて 人はあらじと 誇ろへど
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
ここに沙本毘古さほびこの王、謀りて曰はく、「みましまことにあれを愛しと思ほさば、吾と汝と天の下治らさむとす」といひて、すなはち八鹽折やしほり紐小刀ひもがたなを作りて、そのいろもに授けて曰はく
つまにかきとらむいつまもが旅行たびゆあれは見つつしぬばむ 〔巻二十・四三二七〕 防人
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
欺かえてみ伏せる時に、吾その上を蹈みて讀み度り來て、今つちに下りむとする時に、吾、いましは我に欺かえつと言ひをはれば、すなはち最端いやはてに伏せる鰐、あれを捕へて、悉に我が衣服きものを剥ぎき。