“忍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しの66.8%
おし10.6%
しのぶ7.2%
しのび5.3%
にん3.8%
しぬ1.0%
シノ1.0%
0.5%
あら0.5%
こらえ0.5%
こらへ0.5%
しのん0.5%
0.5%
をし0.5%
オシ0.5%
ニン0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
石田三成の水攻めにあいながらも、よく堅守して居るおし城の成田氏長の様な勇将もあったが、小田原城の士気は全く沮喪して仕舞った。
小田原陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
しのぶをか」は上野谷中の高台である。「太郎稲荷」はむかし柳河藩主立花氏の下屋敷に在つて、文化のころから流行はやりはじめた。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「これは自慢にはなりませぬが、私血統より慶長年間、高阪甚内と申す賊、三甚内の一人として出でしのびの術もて横行いたしました」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
苦しさえがたけれど、銭はなくなる道なお遠し、ごんという修行、にんと云う観念はこの時の入用なりと、歯をくいしばってすすむに、やがて草鞋わらじのそこ抜けぬ。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
旅人が馬を水城みずき(貯水池の大きな堤)にめて、皆と別を惜しんだ時に、児島は、「おほならばむをかしこみと振りたき袖をしぬびてあるかも」(巻六・九六五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「聖賢の言を思い出すがよい。——小サキヲシノバザル時ハ大謀モ乱ル——とある。いまは守るを上計とするのだ。血気の勇をたのんではいけない」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここにすなはちその海邊の波限なぎさに、鵜の羽を葺草かやにして、産殿うぶやを造りき。ここにその産殿うぶや、いまだ葺き合へねば、御腹のきにへざりければ、産殿に入りましき。
然れども待ちつる情をあらはしまをさずてはいぶせくてえあらじと思ひて、百取の机代物を持たしめて参出でたてまつりき。
枕物狂 (新字旧仮名) / 川田順(著)
それいかりののしりやまざれば約々せわ/\しく腹立はらたつことおおくして家の内静ならず。悪しき事あらば折々言教いいおしえて誤をなおすべし。少のあやまちこらえいかるべからず、心の内にはあわれみほかには行規を堅くおしえて怠らぬ様に使ふべし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
取直とりなほし我が身ながらも未練みれん繰言くりごとてもかくても助かり難き我が一命此上は又々嚴敷きびしき責苦せめくこらへんよりはいつそのこと平兵衞を殺せしといつはり白状して此世の責苦せめくのがれん者とこゝに心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
斯く御婦人に対して御無礼を働きまするも——幾度も拒絶されたる貴嬢に対して、耻辱をしのんで御面会致すと言ふも
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
まあ、けときねえな。それを、お前、大先生に叱られたって、柔順すなおに別れ話にした早瀬さんも感心だろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
新発田しばたの寺崎某、山形の志村玄叔等で、其他猶津山、をし、庄内等の子弟があつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
オシはおそはく・うしはくの義の「壓す」から出たものでなく、また「オホシ」に通ずるオシオシなどで宛て字するおしとも違ふ樣だ。來臨する神と言ふ程の古語ではなからうか。
ニン自ラウレイナシ、としていた。彼は彼みずから
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)