“耐忍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たいにん36.4%
がまん36.4%
かに9.1%
こらへ9.1%
たへしの9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
衆奉じて以て主と爲すべきものなく、或はさんじて四方にき、或は上野うへのる。若し公をして耐忍たいにんの力無く、共にいかつて事を擧げしめば、則ち府下悉く焦土せうどと爲らん。
こらえかねてこちらから手紙を出して見たが、それに対する返辞もない。とうとう耐忍がまんしきれなくって、その次の次の日に清月まで出かけて行った。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
耐忍かにしておくれ、ねあたしだつて、何も酔興で、彼家へ嫁入つたといふのじやなしさ、お前さんも知つての通りな羽目になつて、よんどころなく、つひ……
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
おはせられては最早もはや了簡れうけんならず今一度言て見よ己れ其座そのざは立せじとかたな追取おつとりひざ立直たてなほいかり目眥まなじ釣上つりあげ發打はつた白眼にらみ付けれ共久兵衞は少しも驚く氣色なくいな盜人ぬすびと相違さうゐなし百兩盜みし大盜賊おほどろばうと大聲あげなりわめけば爰に至りて文右衞門は耐忍こらへ兼一たうすらりと拔放ぬきはなし只一うち振上ふりあげるに久兵衞は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
耐忍たへしのびて田原町に到りけるに見世には客有りて混雜こんざつの樣子なれば裏へ廻りて勝手口よりひそか差覗さしのぞくに今日は餅搗もちつきと見えてそなへを取もあれば熨斗のしを延もあり或はなます
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)