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こらへ
語句 | 割合 |
堪 | 33.3% |
忍 | 33.3% |
耐忍 | 33.3% |
堪て居る中
既に
寅刻の
鐘も聞え月は
梢の間に
顯れ木の間/\も
現々と
茶店の中まで見え
透ゆゑ安五郎は
不※此方を
堪て吉兵衞
漸々起上り大事を
抱へし身の爰にて
空しく
凍死んも
殘念なりと氣を
勵まし四方を
見廻せば
蔦葛下りて
有を見付是ぞ天の
與へなりと二
品の包みを
脊負纒ふ葛を
取直し我が身ながらも
未練の
繰言兎ても
角ても助かり難き我が一命此上は又々
嚴敷責苦を
忍んよりは
寧そのこと平兵衞を殺せしと
僞り白状して此世の
責苦を
遁れん者と
爰に心を
負せられては
最早了簡ならず今一度言て見よ己れ
其座は立せじと
刀追取膝立直し
怒の
目眥り
釣上て
發打と
白眼付けれ共久兵衞は少しも驚く氣色なく
否盜人に
相違なし百兩盜みし
大盜賊と大聲
揚て
鳴わめけば爰に至りて文右衞門は
耐忍兼一
刀すらりと
拔放し只一
打と
振上るに久兵衞は