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堪
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こらへ
堪て居る中
既に
寅刻の
鐘も聞え月は
梢の間に
顯れ木の間/\も
現々と
茶店の中まで見え
透ゆゑ安五郎は
不※此方を
堪て吉兵衞
漸々起上り大事を
抱へし身の爰にて
空しく
凍死んも
殘念なりと氣を
勵まし四方を
見廻せば
蔦葛下りて
有を見付是ぞ天の
與へなりと二
品の包みを
脊負纒ふ葛を
捕へ
此乞食めと
人中にて
散々罵り
恥しめければ今は四郎右衞門も
腹に
居兼大いに
憤ほりけれどもとても
腕づくにては
叶ひ
難しと思ひ其日も
堪て歸りしが
不※心付我が
日來信心なす
金毘羅へ
祈誓を