“得堪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えた77.8%
えたへ22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浪子は忿然ふんぜんとして放ちたる眼光の、彼がまっ黒き目のすさまじきに見返されて、不快に得堪えたえずぞっと震いつつ、はるかに目をそらしぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
彼をかつせしいかりに任せて、なかば起したりしたいを投倒せば、腰部ようぶ創所きずしよを強くてて、得堪えたへずうめき苦むを、不意なりければ満枝はことまどひて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
とゝさま二の御懇意ごこんいとてはづかしき手前てまへ薄茶うすちやぷくまゐらせそめしが中々なか/\物思ものおもひにて帛紗ふくささばきのしづこゝろなくりぬるなりさてもお姿すがたものがたき御氣象ごきしようとやいま若者わかものめづらしとて父樣とゝさまのおあそばすごとわがことならねどおもあかみて其坐そのざにも得堪えたへねどしたはしさのかずまさりぬりながら和女そなたにすらふははじめてはぬこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なしねと言るゝ程猶彌増いやます未通女心おぼこごゝろ初戀はつこひしたふお方と縁のいとむすんでとけて末長く添るゝ事も父親が承知しようちとあればつひ斯々と言んとすれどかねしが斯てははてじと思ふよりハイ吾儕わたくし彼方あのかたなれば實に嬉しう御座りますと有か無かは聲出して思ひきつてぞ言たる儘發とおもて紅葉もみぢして座にも得堪えたへず勝手の方へにぐるが如く行たるは娘意むすめごころぞ然も有可し父は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)