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父樣
読み方 | 割合 |
とゝさま | 30.8% |
とうさま | 26.9% |
とつさん | 11.5% |
とゝさん | 7.7% |
おとつさん | 7.7% |
とつさま | 3.8% |
と さま | 3.8% |
とうさん | 3.8% |
とうちやん | 3.8% |
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吾儕が先立てば誰とて後で
父樣の御介抱をば申し上ん夫を思へば
捨兼る生命を捨ねば惡名を
雪に難き
薄命お目覺されし其後に此
遺書を
「お
父樣、しばらくお
暇が
戴きたうございます」とおそるおそる
父の
前にでて、お
願ひしました。そして
心の
中では、どうか
聽容れてくれるといいが。
夫では
最う
私は
戻ります、
亥之さんが
歸つたらば
宜しくいふて
置いて
下され、お
父樣もお
母樣も
御機嫌よう、
此次には
笑ふて
參りまするとて
是非なさゝうに
立あがれば
見得を
搆はず
豆なり
栗なり
氣に
入つたを
喰べて
見せてお
呉れ、いつでも
父樣と
噂すること、
出世は
出世に
相違なく、
人の
見る
目も
立派なほど
覺えて
居ます。
父樣が
私の
頭を
撫でゝ、お
前は
日本人の
子といふ
事をばどんな
時にも
忘れてはなりませんよ、と
仰しやつた
事でせう。
人傳に
聞きましてお
怒りにふれるとは
知るも
御樣子が
伺ひたさに
出にくい
所を
繕つて
漸うの
思ひで
參りましたお
父樣にもお
執成をとしほ/\として
言出づるを
知らぬ
身のお
八重が
素振り
得も
察せず
氣の
毒や
我身大事にかけるとて
痩せ
見ゆるほど
心配させし
和女の
情は
忘れぬなり
左りながら
如何ほど
盡くしてくるゝ
共なるまじき
願ひぞとは
漸〻に
斷念たり
夫につきて
又別に
父樣母さまへの
御願ひあれど
御二
タ方なり
和女なりに
歎きを
狂風一陣梢をうごかして
來る
氣の
立つた
折には、
父樣も
母樣も
兄樣も
誰れも
後生、
顏を
見せて
下さるな、とて
物陰にひそんで
泣く、
聲は
腸を
絞り
出すやうにて
私が
惡う
御座りました
『あれ、
父樣ですよ。父樣ですよ。』と言つて子供に教へる。