“父樣”のいろいろな読み方と例文
新字:父様
読み方割合
とゝさま30.8%
とうさま26.9%
とつさん11.5%
とゝさん7.7%
おとつさん7.7%
とつさま3.8%
と さま3.8%
とうさん3.8%
とうちやん3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾儕わがみが先立てば誰とて後で父樣とゝさまの御介抱をば申し上ん夫を思へば捨兼すてかねる生命を捨ねば惡名をすゝぐに難き薄命ふしあはせお目覺されし其後に此遺書かきおき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お父樣とうさま、しばらくおいとまいただききたうございます」とおそるおそるちゝまへにでて、おねがひしました。そしてこゝろうちでは、どうか聽容きゝいれてくれるといいが。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
それではわたしもどります、亥之いのさんがかへつたらばよろしくいふていてくだされ、お父樣とつさんもお母樣つかさん御機嫌ごきげんよう、此次このつぎにはわらふてまゐりまするとて是非ぜひなさゝうにたちあがれば
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
見得みえかまはずまめなりくりなりつたをべてせておれ、いつでも父樣とゝさんうわさすること、出世しゆつせ出世しゆつせ相違さうゐなく、ひと立派りつぱなほど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おぼえてます。父樣おとつさんわたくしあたまでゝ、おまへ日本人につぽんじんといふことをばどんなときにもわすれてはなりませんよ、とおつしやつたことでせう。
人傳ひとづてきましておいかりにふれるとはるも御樣子ごやうすうかゞひたさににくいところつくろつてやうやうのおもひでまゐりましたお父樣とつさまにもお執成とりなしをとしほ/\としていひづるを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
らぬのお八重やへ素振そぶさつせずどく我身わがみ大事だいじにかけるとてゆるほど心配しんぱいさせし和女そなたなさけわすれぬなりりながら如何いかほどくしてくるゝともなるまじきねがひぞとは漸〻やう/\斷念あきらめたりそれにつきてまたべつ父樣と さまはゝさまへの御願おねがひあれどかたなり和女そなたなりになげきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
狂風一陣きやうふういちぢんこずゑをうごかしてきたつたをりには、父樣とうさん母樣かあさん兄樣にいさんれも後生ごしやうかほせてくださるな、とて物陰ものかげにひそんでく、こゑはらわたしぼすやうにてわたしわる御座ござりました
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『あれ、父樣とうちやんですよ。父樣ですよ。』と言つて子供に教へる。
札幌 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)