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御親父樣
へい、
陰徳は
何んとやら、と
御酒の
上では、
能く
御親父樣がお
話しになりましたが、
世の
中の
事と
申しますものは、
書物の
通りには
參りませんで。
しみ/″\
存じて
居りますのは、まだ
七歳八歳、
御親父樣も、
御存命の
時分でござりますから、
彼是雜と二十
年。
此に
就けては
御親父樣、
御新造樣も
大概御心配下すつた
事ではござりません。
友造や、
身體を
謹め、
友さん、
酒をお
飮みでないよ、と
親身に
仰有つて
下さります。