“書物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かきもの30.7%
しょもつ26.3%
ほん22.8%
しよもつ19.3%
あいつ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
近所への人づきあいもせずに、夜遅くまで書物かきものをしていた蕪村。冬の寒夜に火桶ひおけを抱えて、人生の寂寥せきりょうと貧困とを悲しんでいた蕪村。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
最澄よりももっと沢山書物しょもつを持って帰ったこと。高野山真言宗開祖となったこと。この二人に較べると霊仙の一生は奈何にも寂しい。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「あ、忘れていた。あの……いつか持って来て貸して上げたお父様の書物ほんを、いちど戻して貰わないと、私が困ることがあるんですよ」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
居室へやかへつてると、ちやんと整頓かたづいる。とき書物しよもつやら反古ほごやら亂雜らんざつきはまつてたのが、もの各々おの/\ところしづかにぼくまつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「嘘だろう。ははあ分った。おめえはあの次席家老のせがれに突っつかれて、書物あいつを取り上げれや、おれがこんどの仕事に腰をつくだろうと、相談の上で、取りに来たんだな」
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)