“親父”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おやじ64.9%
おやぢ19.9%
とつ3.3%
しんぷ1.9%
ちゃん1.4%
ちち1.4%
おとっ0.9%
おとっさん0.9%
とっ0.9%
おど0.5%
おや0.5%
ちゝ0.5%
おとつ0.5%
おとつさん0.5%
おやじい0.5%
ちちおや0.5%
ちやん0.5%
とつさあ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
織娘の中で心掛けの善いおくのと云うが有りまして、親父おやじ鑑識めがねでこれを茂之助に添わせると、いことにはたちまち子供が出産できました。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
盲目の親父おやぢは青い顏をして小さくなつて爐端に坐つてゐる……酒さへ飮まなけりやあ意氣地がね程、まあ確に意氣地がなかつたんだが
酔ひたる商人 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
こりや怕い事は無い、其方の家まで送る分の事、心配するなと微笑を含んでつむりを撫でらるゝに彌々ちゞみて、喧嘩をしたと言ふと親父とつさんに叱かられます
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たしかあなたのご親父しんぷは、年限を勤め上げていらっしゃらないばかりか、最近ではまるで勤めにも出ておられなかったようでしたね。
「おめえは一つうちにいるんだから、何もかも残らず知っている筈だが、お前のところの親父ちゃんは人から怨まれるような覚えがあるかえ」
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ですが親父ちちが帰って来て案じるといけませんから、あまり遠くへは出られませぬ。と光代は浮足。なに、お部屋からそこらはどこもかしこも見通しです。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
森「何を云うのだ、つんぼだな…そうじゃアねえ、おめえさんは左官の亥太郎さんの親父おとっさんかと聞くのだ、此方こなたは本所の旦那で浪島文治郎と云うお方だ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
せがれ茂之助ものすけを相手に織娘おりこを抱えて機屋をいたしますと、明治の始めあたりは、追々機が盛って参り大分だいぶ繁昌で親父おとっさんうか早く茂之助にい女房を持たせたいと思ううち
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はいりそこねて変だから今夜はよそうよ、さっき親父とっさんが出直せッて言ったから、』とにやにや笑いながら言う。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「こんだ親父おど抱いて寝てやるど」——漁夫がベラベラ笑った。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
うた敏速さそくの寶澤は空泣そらなきしてさても私しの親父おや養子やうしにて母は私しが二ツの年病死びやうしし夫より祖母ばば養育やういく成長ひとゝなりしが十一歳の年に親父ちち故郷こきやうの熊本へ行とて祖母ばばに私しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お検死の仰しゃるには余程手者てしゃが斬ったのであろうと、それに親父ちゝがたしなみの脇差をして出ましたが、其の脇差は貞宗でございますから
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
本氣ほんきだよ親父おとつさん! ラクダルさんのやうにわたし怠惰屋なまけやになるのだ。』
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
はらしたく思ふをりから云々とはれて大きにこゝろに喜び其うへならず母親も留守るすと云るはついでよしと早くも思案しあん莞爾につこりみ夫はさぞかし面白ふ御座りませうが甲夜よひのうちは親父おとつさんも起きてを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
われ母親おふくろは又旅のおかくと云って、五十の坂を越して居ながら、われと一緒におらうち強談ゆすりに来たり、おえいをさらったりしておれ宜く知ってる、われ母親は悪党だが、親父おやじいはどうだか知んねえが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
友人はこれに暗示ヒントを得て、脅迫団の名を無断拝借して、親父ちちおやを脅迫しようとしたのだ。私は何だか探偵小説で之と似たような事を読んだような気がする。友人もそれから思いついたのかも知れない。
急行十三時間 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
ると、親父ちやん湯玉ゆだまはらつて、朱塗しゆぬりつて飛出とびだした、が握太にぎりぶと蒼筋あをすぢして、すね突張つツぱつて、髯旦ひげだんかたへ突立つツたつた。
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それが朝夕出入をして居る儀平とこの親父とつさあの仕業であつたと聞いた時は、驚きも怪みも一つになつて心頭からいきどほりほのほのやうにもえたつた。先刻さつきもお巡査さんの前に散々本人をきめつけた。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)