“とっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
父44.1%
疾16.7%
爺16.4%
取7.1%
夙2.5%
執2.1%
篤1.8%
採1.1%
既1.1%
捉0.7%
突0.7%
親父0.7%
義父0.4%
把0.4%
亡父0.4%
保存0.4%
処0.4%
咄0.4%
憑0.4%
撮影0.4%
父爺0.4%
老0.4%
老爺0.4%
親爺0.4%
除0.4%
養父0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これを見ても彼のお父(とっ)つあんが彼を十分に可愛がっていることはわかるのだが、彼が死なないようにというので、神や仏に願(がん)をかけて
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
小山も笑いを含み「だが大原君、その大食を見てはお登和さんも愛想が尽きるだろう」妻君「オホホ、モー疾(とっ)くに尽きているのです」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「あれいけねえ、お爺(とっ)つぁんだぜ」「いえ、あんな年寄りが、熊と相撲を取るのかね」「やめなよ爺つぁんあぶねえあぶねえ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
どういう訳か分らぬが何(なん)でも怪しいから取(とっ)て押えんければならぬが、それには先(まず)第一富五郎をどうかして押えなければならぬと心得
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
普通ならば夙(とっ)くにもう花も変えて生けかえるべきものを、いつまでも水仙を生けたままで擲(ほう)って置いてあったものとすると
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「今度だけ私にまかして下さい、何とか致しますから」と言われて自分は強(しい)て争わず、めいり込んだ気を引きたてて改築事務を少しばかり執(とっ)て床に就(つ)いた。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
『うんにゃ、そうは行かねえ。実をいうと、俺にもまだ篤(とっ)くり腑に落ちねえ所がある。何うやら、あいつには情夫(おとこ)があるらしい』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく熱病になった時土用の丑(うし)の日に採(とっ)て乾(ほし)て置いたどくだみ草を煎ずるとこういうような色になる。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「しかし、既(とっ)くに開封されているじゃありませんか。遺言書の内容だけは、話してしまった方がいいでしょう」熊城はさすがに老練な口穽(かま)を掛けたけれども、真斎はいっこうに動ずる気色(けしき)もなく
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
見らるる如く某は、この辺(あたり)の猟師(かりうど)に事ふる、猟犬にて候が。ある時鷲(わし)を捉(とっ)て押へしより、名をば鷲郎(わしろう)と呼ばれぬ。こは鷲を捉(と)りし白犬(しろいぬ)なれば、鷲白(わししろ)といふ心なるよし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
北東(きたひがし)に向いて朝のうちしか日の映(あた)らない離座敷(はなれ)は殊(こと)に寒かった。女中の案内なしに廊下の突(とっ)つきの部屋のところへ来て、障子の外から声を掛けるのは節子だ。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
駒屋の親父(とっ)さまあ家(げ)の畑(はた)土は、一度も手がつかねえほどなんだし
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「お義父(とっ)さんこそ、百姓もしないで、馬市でばくちしたり、お酒のんだりしないがいいよ。よその人がみんな、おっ母が可哀そうだっていっているぜ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お義父(とっ)さん、おらを、奉公にやってくれ。おら、こんな家にいるより、奉公に行きてえや」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壮大を壮大とし繊細を繊細とするは普通なれども、時としては壮大なる題目を把(とっ)て比較的繊細に作するの技倆(ぎりょう)もなかるべからず。例へば五月雨を詠ずるに
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
一、第二期に入る人固(もと)より普通の俳句を解するに苦まずといへども、用意の周到なる、針線(しんせん)の緻密(ちみつ)なるものに至りてはこれを解する能はず。大家苦心の句を把(とっ)て平凡と目するに至ることあり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
このパテーの皮は一度拵えて直ぐ焼いておくと冬は一週間以上十日や十五日位保存(とっ)ておけますから食べる時中身を詰めるばかりでどんなに調法だか知れません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
男「はい、え、二三日前から伊香保の……ナニ彼(あ)の伊香保の木暮八郎ン処(とっ)から此方(こちら)へ湯治にお入(い)でなさった橋本幸三郎さんてエのは貴方でございますか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
問…咄(とっ)! 然らば汝は神なるか。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ところが、その心理を前提として……、艇長とジーグフリード、ウルリーケとクリームヒルト——という符合に憑(とっ)つかれることだ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
儂(わたし)はおかしい所へ行ったの、どこおかしい所ッて、写真さ、撮影(とっ)て来たのお見せなと云えば、まだ来ないワ先のがあったか知らんと紙入を取出し
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
「父爺(とっ)さんや、」で頭(かしら)は無造作に言(ことば)を懸ける。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この前のは東京に開業して居る年老(とっ)た医者が、四月頃来て田舎の甥に嫁が欲しい、少々の財産もあって両親(ふたおや)には早く別れて兄弟二人きりだとかで、本人は文学士だと云ってましたがこれは余り話にも
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
「親爺(とっ)さん、悪い事は云わん。この鰤は腐っとるばい。こげな品物(もん)ば下げておくと、喰うたお客の頭の毛が抜けるばい」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と余念なく豆の葉の虫を除(とっ)ている。助役は惘(あき)れ顔にて
厄払い (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
あれだこれだとお養父(とっ)さんへ橋渡しをさせ、さんざ、あんたに骨を折らして置きながら、話が纒まりかけると、急にあんたを袖にして、口銭の独り占めなんてえのはあんまり太い。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)