“養父”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちち37.0%
やうふ14.8%
おやじ7.4%
とう7.4%
やぶ7.4%
ようふ7.4%
おとつ3.7%
おや3.7%
ちちおや3.7%
てておや3.7%
とっ3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世間の中のさびしさには馴れていたが、家の中の淋しさには絶えかねるらしい。お高は、帰りのおそい養父ちちを、しきりに待ちわびていた。
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとあれほどにてひとせいをば名告なのらずともとそしりしもありけれど、心安こゝろやすこゝろざすみちはしつて、うちかへりみるやましさのきは、これみな養父やうふ賜物たまものぞかし
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そうしたほうがいいだろう。ここへ捕手とりてン込んで、枕元から縄付きになった日には、養父おやじさんも安々と行く所へも行かれまい」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あんなに固く信じあっていたのに、お養父とうさんもお母さんも忘れてこんなに働いていたのに、私は浅い若い恋の日なんて、うたかたのあわよりはかないものだと思った。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そのとき行ったきり私は行っていないが、きけば鶴山の鶴(じつはコウノトリだが)が出石郡から移動して、このころでは養父やぶ郡の方へ来たそうである。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
養父ようふも義弟も菊五郎や栄三郎いっそ寺島父子になってしもうた堀川の芝居の此猿廻わしのきりにも、菊之助のみは立派りっぱな伝兵衛であった。最早彼は此世に居ない。片市も、菊五郎も居ない。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それからといふものは、まあ娘に言はせると、奈何どうしても養父おとつさんの態度しむけとは思はれないと言ふ。かりそめにも仏の御弟子ではないか。袈裟けさつけて教を説く身分ではないか。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
戦の統率とうそつぶりも養父おや慾目よくめばかりでなく大出来でした。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
養父ちちおやの方が可愛がって片時も離さないとこういう言種いいぐさでね。……父も祖母も、あれにあたられると思うから、相当に待遇するでしょう。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……少しは人情らしいもののあった養父てておやの方が——やっぱりどこまでも私の不幸や——早く死んでからというものは、子守で泣かせたあげくが工場へ遣られて、それが三日おき四日おきに
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれだこれだとお養父とっさんへ橋渡しをさせ、さんざ、あんたに骨を折らして置きながら、話が纒まりかけると、急にあんたを袖にして、口銭の独り占めなんてえのはあんまり太い。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)