“泡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あわ91.7%
あぶく4.4%
あは2.6%
アブク0.9%
あぶ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また世の笑いぐさだ。かつは野州やしゅう足利ノ庄から志を立ててここまで来ながら、きょうまでの苦心功業もすべて水のあわでしかあるまいが
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らがそこにいることを知らせるのは何かと言えば、たまに水のあぶくが幾つか浮び上がってきて、澱んだ水面ではじけるだけである。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
おもふと、あはが、ゆきふるはすしろはだたゞれるやうで。……そのは、ぎよつとして、突伏つきふすばかりに火尖ひさきめるがごと吹消ふきけした。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その塀に沿つた、紙やアブクのヒヨロヒヨロとふるへてゐるドブは、それを見ながら歩くことが嫌ではなかつた。
亡弟 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
あぶぜに下滓かすを吸って生きている、低級無智な者の中にはさまれて暮していなければならなかった母君の、ジリジリした気持ち——(気勝者きしょうもの)といわれる不幸ふしあわせな気質は、一家三人の共通点であった。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)