“泡沫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうまつ41.8%
うたかた17.7%
あわ16.5%
しぶき11.4%
あぶく10.1%
しはぶき1.3%
はうまつ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
全体として言えば、彼は瘴癘しょうれいの気よりも泡沫ほうまつを愛し、下水よりも急流を愛し、モンフォーコンの湖水よりもナイヤガラ瀑布ばくふを愛した。
「さあれ、十年と経てば、この水のように、淙々そうそうと、すべては泡沫うたかたの跡形もない。——平家の、源氏のと、憎しみおうた人々の戦の跡には何もない」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この管から彼は速に、二十乃至三十の泡沫あわを吹き出すのだが、それが空中を漂って行く有様は、管から紙片を吹き出すようである。
船と船とが行き合ふと、緩かな汽笛が響いて、よどんだ水がうねりとうねりの間でせせ笑ふやうに白い泡沫しぶきを立てたりした。
修道院の秋 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
汁などに入れて食べるが、軽くてプクプク浮いている。歯ごたえもなければ、香りも、味も、そっけもない、泡沫あぶくの固まりのようなものだ。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
その金色の泡沫しはぶきは、彼女の髪毛に花となる。
臨死みまからむとする時、長歎息して曰く、伝へ聞く仮合けがふの身滅び易く、泡沫はうまつの命とどめ難し。所以ゆゑに千聖すでに去り、百賢留らず、況して凡愚のいやしき者、何ぞもく逃避せむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)