“微”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かす62.8%
かすか20.5%
4.5%
すこ2.3%
ほの1.9%
なか1.3%
ほのか1.3%
うす0.8%
ひそ0.8%
そよ0.6%
かそ0.3%
わず0.3%
いや0.2%
うっ0.2%
こまか0.2%
しの0.2%
すこし0.2%
ちい0.2%
ちょう0.2%
ちよう0.2%
0.2%
ぼッ0.2%
0.2%
ゆる0.2%
カス0.2%
ナカリセバ0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのとき金は、ほんのかにニコついて、煙草の火をつける。彼がフーッと煙を吹き出すと女どもは、身体を蛇のようにねじらせて
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
旦那様は少許震えて、穴の開く程奥様の御顔を熟視ますと、奥様は口唇嘲笑て、他の事を考えておいでなさるようでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
に入りるのは学術の本義ですけれども、学生時代に色々な学説を聞かされるということはなり厄介に感ずるものです。
人工心臓 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
ヒノキは山中に生ずる常緑の喬木で、多く枝を分ち葉は小形で小枝の両側に連着し、緑色で下面にしく白色を有する事がある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
四邊はと靜まり返つてゐて、雨はもう止んでゐた。空には、形もない、色もない雲が、明状し難いめく光りを包んでゐるやうに思はれた。
松田氏の精確なる記性と明快なる論断とがつたなら、わたくしは或は一堆の故紙に性命をき入るゝことを得なかつたかも知れない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
螢の薄光で、に見える其の姿は、何樣なに薄氣味惡く見えたろう。眼は妙についてゐて、鼻はツて、そしてのやうに光ツて、胸頭を飾ツてゐた。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
新一は母親の声を聞きながら手にした短刀の刃に眼をやった。血とも脂とも判らない赤いねっとりしたものが一めんに附着していた。
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
とつぶやきながらかに胸を躍らした。本能的に用心深い足取りで、高い混凝土塀を半まわりして、裏手の突角の処まで来た。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あの底知らずのとか、日射其処ばかりはものの朦朧としてむあたりに、——との風もない折から、根なしに浮いた板ながら真直に立つて居た白い御幣が
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
するとやがて、がさッとけき木揺らぎがしたようだった。天地はとし、およそ鳥けもの、地虫の類までが一瞬、しいんとまった感じである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小さな、かな、ツマラナイ、本当につまらないヴアニテイを私が起したからです。自分でもどうしてそんなつまらない心持を起したかわかりません。
臨死むとする時、長歎息して曰く、伝へ聞く仮合の身滅び易く、泡沫の命め難し。所以に千聖に去り、百賢留らず、況して凡愚のしき者、何ぞもく逃避せむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして、絹川の土手にとりついたには、樺色に燃えていた西の空がったようになって、上流の方はすらした霧がかかりどこかで馬のく声がしていた。
累物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あれ、降ってるのか」と私は軒下へ退いて、思わず髪をでました。暗くはあるが、低い霧のように灰色に見えるのは、い雪の降るのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
宮がおび場所からお帰りになったのかと思っていたが、露に湿った空気が薫の持つ特殊のにおいを運んできたためにだれであるかを悟り
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
初鮏は光り銀のごとくにしてみあり、の色をぬりたるがし。仲冬の頃にいたればいで、し。もやゝれり。
兵馬は蒲団を引被ぎながら、格子の角に引かれる鑢のさな音を聞いていました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
◯エリパズは初め実験にして「神は善なり」と説き、次にビルダデは所伝によりて「神は義なり」と主張す。そしていずれもヨブの撃退する所となった。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
現に西洋の通俗作家の飜案であつたことにしてもそれが解る。しかし、いつでもさうだが、かれはさうした俗受小説にも、自己の文章の努力を捨てることの出来ない作者であつた。
尾崎紅葉とその作品 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
もしこれらの人かりせば今日の社会は依然たる太古の社会にして、今日の人民はただかのタタールの曠原に野獣をい、アラビアの砂漠に駱駝を駆るの人民なるべし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
母は黙って此方を向いた。常は滅入ったような蒼いをしている人だったが、其時此方を向いた顔を見ると、くなって、眼にみを持ち、どうも尋常顔色でない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
はして、苦桃太郎七卷卷裹め、
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
八月十六日——その日は、早朝からこの地峡の上層を、真白な薄雲が一面に覆うているので、空気は少しもがうとはせず、それは肢体に浸み渡らんばかりの蒸し暑さだった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
蕭条タル孤屋、一
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
管仲。吾其被髮左衽矣。豈若匹夫匹婦之爲也。自經於溝涜而莫之知ラルヲ也。
孔子と管仲 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)
一般に「ミ」にあたる万葉仮名に二類の別があって「」と「」とはそれぞれ別の類に属して互いに混同することがないということをまだ明らかにしなかったために
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)