“微”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かす60.6%
かすか21.8%
4.5%
すこ2.3%
ほの2.0%
なか1.4%
ほのか1.4%
うす0.9%
ひそ0.9%
そよ0.7%
(他:19)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分の精神と同じように世界もぼんやりしているが、ただちょっと眼についたのは、雨の間からかすかに見える山の色であった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この時余は眼をあげて、ちょと女の顔を見た。今結んだ口元には、かすかなる笑の影が消えかかりつつある。意味はせぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雪は、窓をかすめて、サラ/\、サラ/\とかすかな音を立てる……辛うじて心で聞取れるやうなしづかな響であツた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ふすまの外ではかすかな返事があって、やがてやさしい衣摺きぬずれの音とともに、水々しい背の高い婦人が入って来た。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
又、バクダッドの宮室庭園を写した文章の如きは、に入りさい穿うがつてつて、光景見るが如きものがある。
視ることに熟して、さて、小を視ること大のごとく、を見ることちょのごとくなったならば、きたって我に告げるがよいと。
名人伝 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ヒノキは山中に生ずる常緑の喬木で、多く枝を分ち葉は小形で小枝の両側に連着し、緑色で下面にすこしく白色を有する事がある。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ことに寝起の時の御顔色は、いつすこし青ざめて、老衰おいおとろえた御様子が明白ありありと解りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
小坊主がちょこちょこと歩んで来て、人の寝息を窺ったのを、ほのかに知っている、眼を覚ますと、スーッと白い霧の中へと飛んで、羽ばたきの影が
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
空には、形もない、色もない雲が、明状し難いほのめく光りを包んでゐるやうに思はれた。
かの大いなる僧(禍ひ彼にあれ)なかつせばわれこの思ひの成れるを疑はず、されば請ふ事の次第と濫觴おこりとをきけ 七〇—七二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
もしこの事なかりせば、今汝の過行く天は、そのを技藝に結ばずして破壞にむすぶにいたるべし 一〇六—一〇八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
なんだか意味いみわからぬことをうのであるが、どこかにまた善良ぜんりょうなる性質せいしつほのかきこえる
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なんだか意味いみわからぬことをふのであるが、何處どこかにまた善良ぜんりやうなる性質せいしつほのかきこえる
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
主翁は歩きながら空を見た。ところどころ雨雲の切れた黎明よあけの空に、うすい星の光があった。主翁はんと云っても黎明であると思って嬉しかった。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
黒い筋の細かい髪を目だたないような洋髪にして、うす黄ろな地に唐草からくさ模様のある質実じみ羽織はおりているが、どこかに侵されぬ気品があった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
妾はロダンさんの芸術をひそかながら、妾の心の奥底に感じることが出来ると同時に、この老いた彫刻家に妾は自分の心を与えることが出来たのです。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
金は自分の室へ帰って女と顔をあわせた時、その日のことを精しく話した。女は何もいわずにひそかにわらった。金は女のしたことではないかと思って聞いた。
五通 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
かなしみは出窓のごとし連理草れんりさう夜にとりあつめそよかぜぞ吹く
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
輪廓ばかりの原画になって、年々無数に容赦なく振い落される、いつか冬の野原で、風もない、そよとも動かぬ楢林の中で、梢にこびりついている残葉の或一枚だけが、ブルブル震えているのがあった、同じ梢に並んでいる葉が、皆沈黙しているのに
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
駕をになう小者の足幅はゆるやかになり、そして、家人らの声はかそけく、そこここにす灯影はやわらかい。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——するとやがて、がさッとかそけき木揺こゆらぎがしたようだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小さな、わずかな、ツマラナイ、本当につまらないヴアニテイを私が起したからです。
私とて是迄彼等の遣口やりくちには疑い乍らも十度に一度は⦅真物⦆に出喰わさない事も無かろうとわずかな希望を抱き、従って随分屡々其の方面の経験は有りましたが、其の範囲内では毎時いつもペテンを喰わされて居ました。
陳情書 (新字新仮名) / 西尾正(著)
臨死みまからむとする時、長歎息して曰く、伝へ聞く仮合けがふの身滅び易く、泡沫はうまつの命とどめ難し。所以ゆゑに千聖すでに去り、百賢留らず、況して凡愚のいやしき者、何ぞもく逃避せむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そして、絹川の土手にとりついたころには、きれい樺色かばいろに燃えていた西の空がくすぶったようになって、上流かわかみの方はうっすらした霧がかかりどこかで馬のいななく声がしていた。
累物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
暗くはあるが、低い霧のように灰色に見えるのは、こまかい雪の降るのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
下車して霧の中を美しく薫の歩いてはいって来るのを女房たちは知り、宮がおしのび場所からお帰りになったのかと思っていたが、露に湿った空気が薫の持つ特殊のにおいを運んできたためにだれであるかを悟り、
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
初鮏は光り銀のごとくにしてすこしあをみあり、にくの色べにをぬりたるがごとし。
兵馬はぜひなく寝床の方へ退きました。兵馬は蒲団を引被ひきかつぎながら、格子の角に引かれる鑢のちいさな音を聞いていました。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
◯エリパズは初め実験にちょうして「神は善なり」と説き、次にビルダデは所伝つたえによりて「神は義なり」と主張す。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
現に西洋の通俗作家の飜案であつたことにちようしてもそれが解る。
尾崎紅葉とその作品 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
もしこれらの人かりせば今日の社会は依然たる太古の社会にして、今日の人民はただかのタタールの曠原こうげんに野獣をい、アラビアの砂漠に駱駝らくだを駆るの人民なるべし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
常は滅入ったような蒼いかおをしている人だったが、其時此方こちらを向いた顔を見ると、ぼッあかくなって、眼にうるみを持ち、どうも尋常ただ顔色かおいろでない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
はして、苦桃太郎にがもゝたらう七卷なゝまき卷裹まきくるめ、ほね
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
八月十六日——その日は、早朝からこの地峡の上層を、真白な薄雲が一面に覆うているので、空気は少しもゆるがうとはせず、それは肢体に浸み渡らんばかりの蒸し暑さだった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
蕭条ショウジョウタル孤屋コオク、一トウカス
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ナカリセバ管仲
孔子と管仲 (旧字旧仮名) / 狩野直喜(著)
一般に「ミ」にあたる万葉仮名に二類の別があって「」と「」とはそれぞれ別の類に属して互いに混同することがないということをまだ明らかにしなかったために、「カミ」の「ミ」と「カミ」の「ミ」とを同じ仮名と考えて
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)