ゆる)” の例文
八月十六日——その日は、早朝からこの地峡の上層を、真白な薄雲が一面に覆うているので、空気は少しもゆるがうとはせず、それは肢体に浸み渡らんばかりの蒸し暑さだった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)