“微行”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しのび74.2%
びこう17.7%
しのびあるき1.6%
おしのび1.6%
しのびゆ1.6%
びかう1.6%
インコグニトオ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜は、小御所の内殿ないでんで、饗応がひらかれた。それも、そっとの催しで、微行しのびの吉田大納言は、次の日、さっそく、京へ帰って行った。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろん藤吉郎のこんどの小旅行も、すがたをかえた微行びこうで、この岐阜城へも、そういうわけから突然やって来たものにちがいあるまい。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
名残なごりの尽きぬ会見はこれきりのことにさせたくないことではあるが、今日の六条院が恋の微行しのびあるきなどを続いて軽々しくあそばされるものでもないと思われた。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
見苦しいことですね、近ごろは平生よりもよく微行おしのび
源氏物語:04 夕顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
天はうすら曇って月はおぼろのようだ——かの仮橋を渡って微行しのびゆく机竜之助はどこへ行くつもりであるか。
そして、下界げかいりて、みねを、はらを、むらさきほし微行びかうしてかすか散歩さんぽするおもかげがあつたのである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
圖らざりき、我が早稻田文壇にこの微行インコグニトオの釋迦を見むとは。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)