“降”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
33.8%
くだ25.5%
24.2%
ふり3.0%
おろ2.0%
こう1.6%
おり1.5%
1.3%
ぶり1.1%
クダ0.9%
ふる0.7%
さが0.7%
ふら0.7%
サガ0.3%
ふっ0.3%
0.3%
ふれ0.3%
くだり0.2%
0.2%
さがつ0.2%
あも0.1%
まい0.1%
ふつ0.1%
0.1%
おん0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ昨日きのうったあめみずが、ところどころのくぼみにたまっていました。そのみずおもてにも、ひかりうつくしくらしてかがやいていました。
幾年もたった後 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それはくだってまた昇るのであるが、暫くは密林帯で、数町の間樹木におおわれて、日の目も漏らぬトンネルのような幽邃ゆうすいな谷がつづく。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
白鳥はくちょうは、注意深ちゅういぶかくその広場ひろばりたのであります。そして、そこに、一人ひとり少年しょうねんくさうえにすわって、ふえいているのをました。
港に着いた黒んぼ (新字新仮名) / 小川未明(著)
こまかきあめははら/\とおとして草村くさむらがくれなくこほろぎのふしをもみださず、かぜひとしきりさつふりくるはにばかりかゝるかといたまし。
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「オッと来たり、その棺桶は門口へおろいとけ。上から花輪をば、のせかけとけあ、おくれた奴の目印になろう。盗む者はあるめえ」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
崔諒さいりょうは眼がくらんだ。落馬したように跳びおりてそのまま地に平伏してしまったのである。孔明はこうを容れ、伴って陣地へ帰った。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おりたつ後姿うしろすがた見送みおくものはお八重やへのみならず優子いうこ部屋へや障子しようじ細目ほそめけてはれぬ心〻こゝろ/\を三らう一人ひとりすゞしげに行々ゆく/\ぎんずるからうたきゝたし
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と思うと、どういう訳か、窓の外に降る雨脚あまあしまでが、急にまたあの大森の竹藪にしぶくような、寂しいざんざりの音を立て始めました。
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
汽車中きしゃちゅう伊達だて大木戸おおきどあたりは、真夜中のどしゃぶりで、この様子では、思立おもいたった光堂ひかりどうの見物がどうなるだろうと、心細いまできづかわれた。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つた つたと來て、ふうとち止るけはひ。耳をすますと、元の寂かな夜に、——タギクダる谷のとよみ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
うつたへるわけゆゑいは裁許さいきよ破毀やぶりの願ひなれば一ト通りのはこびにては貫徹つらぬくむづからんされば長庵とやらが大雨おほあめふるかさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
決して一直線に付いて居るのでなくって山のうねうねとねくって居るところをめぐり廻って、あるいはあがりあるいはさがって行きますので
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
またこの天には神意みこころほかところなし、しかしてこれを轉らす愛とこれがふらす力とはこの神意の中に燃ゆ 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
二上山の男嶽ヲノカミ女嶽メノカミの間から、急にサガつて來るのである。難波ナニハから飛鳥アスカの都への古い間道なので、日によつては、晝は相應な人通りがある。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
やはり雪がふったので水の上には雪が溜っていた。きっとこの池の周囲まわりに住んでいる狐か狸が大雪で、食物に困って種々いろん真似まねをやるのだろうと思って、その夜は寝た。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
矢を負った鳥影が、山寺の裏あたりへ垂直にがって行った。盛綱が駈け降りたので、どうせ帰り道ではあるし、定綱もやや遅れて、追って行った。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
聞ず否々いや/\兄樣あにさまふればとて一日二日のたびではなし天氣てんきよきを見て立ても道にて大雨おほあめに逢まじき者にも非ずと在所ざいしよ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
汝我に欺かると思ふなからんため、わがみづからいふごとく愚なりしや否やを聞くべし、わが齡の坂路さかみちはやくだりとなれるころ 一一二—一一四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
である。多武峰の北口にも、下居をおりゐと訓む地がある。折井は、甲州出の三河武士の本貫と見えて、家康の旗本に、強の者折井氏があつた。
折口といふ名字 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「毘沙門さまの御前おんまへ黒雲くろくもさがつた(モウ)」 (衆人おほぜい)「なんだとてさがつた(モウ)」(山男)「よねがふるとてさがつた(モウ)」とさゝらをすりならす。
ここに天つ神のみこと以ちて、太卜ふとまにうらへて一二のりたまひしく、「をみなの先立ち言ひしに因りてふさはず、また還りあもりて改め言へ」
第一、かりそめにも、師の治郎右衛門忠明が、小次郎に対してまいったとさけんだのが、心外であった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待兼て居る成らん因て明あさは是非とも出立致し度と言けるに長庵否々いや/\此通り雨もふつて居ることゆえ明日あしたは一日見合せて明後日あさつて出立しゆつたつなすべしととゞめけれ共十兵衞は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あらため見れば、鈎※はりすおもり、綸など、みだれに紊れ、処々に泥土さへ着きて、前回の出遊に、雪交りの急雨にひ、手の指かじかみて自由利かず、其のまゝ引きくるめ、這々ほうほうの体にて戻りし時の
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
けれど少女は「まりやおんりしてはいけないよ。」といって、しっかと抱き締めて、さっさと広々とした沙原すなはらの方へ切れた草履ぞうりをひきずって、歩んで行きかけますと
嵐の夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
神は自然の法則に勝つ能わざるか、或は祈祷は無益なるものなるか、或は余の祈祷に熱心足らざりしか、或は余の罪深きが故に聞かれざりしか、或は余を罰せんがためにこの不幸を余にだせしか
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
これは宋人が屠者には殺された犬の幽霊がき歩く、それを見て犬が吠えるといったに対して程子は、『列子』に見えた海上の人鴎に親しみ遊んだが
「オ、いい心持でひとりで喋っていたら、とんだ空合になってきてしまった。れるな今夜は」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
よこりにふりかかるあめのしぶきも、いま他所よそ出来事できごとでもあるように、まったく意中いちゅうにないらしかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「とうとうって来やアがった。」と叫んで思い思いに席を取った。文公の来る前から西の空がまっ黒に曇り、遠雷さえとどろきて、ただならぬけしきであったのである。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そつとりやう いや、おどろいてしまつた