“吟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぎん72.2%
くちずさ5.6%
うた3.7%
によ3.7%
さまよ3.7%
3.7%
ずさ1.9%
うな1.9%
すだ1.9%
ギン1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と小声にぎんじながら、かさを力に、岨路そばみちを登り詰めると、急に折れた胸突坂むなつきざかが、下から来る人を天にいざな風情ふぜいで帽にせまって立っている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
妙子は床の上へ半身起き直って、覚束ない手付き乍ら、昔取った杵柄で、何んかをくちずさみ乍ら暫らくは器用に羽子はねを突いて居りましたが
求めないか? 何故、山などに住んでいるか? 私の心意気は千年の昔、唐の李太白りたいはくうたっている。立派な言葉で吟っている
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
犬烏あつまむ。天皇此のいざによぶ声を聞きて、心に悲傷いたみす。群卿にみことのりして曰く、それ生くるときにめぐみし所を以て亡者なきひとしたがはしむ。これ甚だいたきわざなり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
「年長く病みし渡れば、月かさね憂ひさまよひ、ことごとは死ななと思へど、五月蠅さばへなす騒ぐ児等を、うつててはしには知らず、見つつあれば心は燃えぬ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ゆく尿ししの流れは臭くして、しかも尋常の水にあらず、よどみに浮ぶ泡沫うたかたは、かつ消えかつ結びて、暫時しばしとどまる事なし、かの「五月雨さみだれに年中の雨降り尽くし」とんだ通り
と、口ずさみながら、それでも、その眼は、情熱をもって、益満を凝視していたし、その耳は、一語を、一句を、頭の中へ、滲ませていた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
杜工部の詩をうなった時には湖水に掛けた浮き橋を島の方へいつか渡っていた。橋を渡って島へ上り花木の間に設けられてあるちんの方へ静かに歩いて行った。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
肅殺なる秋野に興酣しておのづからすだくがごとし、謠ふものと聽くものと、等しく恍焉忘我の境に入ると雖も、荒凉慘澹、寧ろ耳を掩ふに遑あらず、詩豈活きざらむや。
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
岩松ガンショウ無心ムシンカゼキタッテギン
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)