“尿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いばり60.0%
しし10.0%
しと5.7%
4.3%
にょう4.3%
ねう2.9%
しつこ2.9%
しゝ1.4%
せうべん1.4%
ぬい1.4%
ばり1.4%
ゆまり1.4%
イバリ1.4%
ピピ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
尿いばりの音にちがいなかった。自分はある爽快さを感じ、どんな奴の仕業かと、たずねると、あなたのすぐ上にいる日本人がやるんです。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
登勢、尿ししやってんか。へえ。背中さすってんか。へえ。お茶のましてんか。よろしおす。半刻ごとにお定の枕元へ呼びつけられた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
そうしてこれは句作なぞするから、自然と蕪村の馬の糞や芭蕉の馬の尿しとの感化を受けてしまったのだそうである。私は勿論菊池の説に、耳を傾けない心算じゃない。
上海游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
草鞋わらじを脱いだばかりで、草臥くたびれてかまちから膝行込いざりこむのがある、他所よそ嬰児あかごだの、貰われた先方さきのきょうだい小児がき尿を垂れ散らかすのに、……負うと抱くのが面倒だから
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まえまえから胃腸が悪いと二ツ井戸の実費医院じっぴへ通い通いしていたが、こんどは尿にょうに血がまじって小便するのにたっぷり二十分かかるなど、人にも言えなかった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
その時白楊ポプラア並木なみきの根がたに、尿ねうをしやんだ一頭の犬は、これも其処そこへ来かかつた、仲間の尨犬むくいぬに話しかけた。
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
尿しつこが出たいのか。よし/\」と言つて軈て其子供を抱へて眠さうな顏をして出て來た。それからまぶしさうな眼をして時計を見上げて
暫くすると、氏は小便がしたくなつたのに気がついた。ソクラテスが説教をするのに大道だいどうを選むだやうに、酔ツ払ひは尿しゝをするのに、それ/″\恰好な場所を知つてゐる。
尿せうべんに立つておもつたこと
(旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
あまっさえわが文殊院の至宝たる仁王像を引きずり下ろして微塵みじんとなし、それに尿ぬいを放って、快を叫ぶなど、沙汰の限りな狼藉の果て、今暁までその場に眠りおったとのこと。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
次にくそに成りませる神の名は、波邇夜須毘古はにやすびこの神。次に波邇夜須毘賣はにやすびめの神一一。次に尿ゆまりに成りませる神の名は彌都波能賣みつはのめの神一二。次に和久産巣日わくむすびの神一三。この神の子は豐宇氣毘賣とようけびめの神一四といふ。
清徳トイウヒジリアリケリ、多食ノ人ナリ、四条ノ北ナル小路ニ、シ散ラシケレバ、下司ゲスナドモキタナガリ、尿イバリ小路トツケタリケルヲ——
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)