飢餓地帯を歩くきがちたいをあるく――東北農村惨状報告書――――とうほくのうそんさんじょうほうこくしょ――
また雪が降り出した。 もう一尺五寸、 手の指も足の指もちぎれそうだ。 しかし俺は喰いものをあさりに、 一人山へ登って行く。 俺はいつも、男だ男だと思って、 寒さを消しながら、 夢中で山から山をあさって歩く。 これは、青森県のある新聞に載せて …