尿にょう)” の例文
まえまえから胃腸が悪いと二ツ井戸の実費医院じっぴへ通い通いしていたが、こんどは尿にょうに血がまじって小便するのにたっぷり二十分かかるなど、人にも言えなかった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
大人の尿にょうを呑ますべし——と鹿つめらしく講義をしたが、これは、阿波へ行こうという考えの万吉とお綱に、参考とまではならなくとも、ちょっと耳をひかれた話。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尿にょうのように見えた液体は、丁子を煮出した汁であるらしく、糞のように見えた固形物は、野老ところ合薫物あわせたきもの甘葛あまずらの汁で煉り固めて、大きな筆の𣠽つかに入れて押し出したものらしいのであったが
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)